2019.04.08 月曜日

豊橋発:「模倣」と競争優位

 ポーター曰く、「戦略の本質は独自の道を生み出すことにある。」


 マイケル・ポーターの勉強が進んできたところで、「一分間マイケル・ポーター」を順次読んでいる。ポーターの一言集で、その意味を解釈することで、ポーターの勉強の復習になる。


 今回のテーマは「模倣」だ。

 成功事例がある場合、それを「模倣」するということが行われる。しかし、業界内で競争上の優位に立つという場合、いくつかの競争要因が重なって優位に立つ。それは企業特有の事情があって初めて成り立つ現象だ。


 企業特有の事情があって生じる「成功」、事情の異なる企業が同じようにできる訳がない。重要なのは特定の企業の成功要因を分析し、自社にそれがあてはまるかを検討する作業だ。


 この場合、競争要因は材料の仕入れから、商品の製造、広告宣伝、流通経路など全過程に及ぶ。これらの競争要因の中で自社が優位に立てるための戦略を作り上げる必要がある。それは、選択せず、全く別の行動することも選択肢に入っている。


 たとえば、大企業がコードレス小型掃除機を大規模な広告宣伝を実施して販売した場合、中小企業は当然太刀打ちできない。しかし、同じ性能の家電であれば、より優れたデザインを選択するユーザーもいるかもしれない。小ロットでオーダーメードのような感覚の家電は付加価値が高いが、小ロットなので大企業は到底太刀打ちできないかもしれない。


 つまり、コードレス小型掃除機が売れ筋だというアナリストの評論があった場合、単に小型掃除機を売ればよいということにはならない。成功事例を単純に「模倣」することはあり得ない。


 業界の構造や小型掃除機需要の将来性などを見越しつつ、自社の資源の範囲で行える競争の戦略を選択する必要がある。それは「模倣」から「創造」に移るプロセスであると思う。


 孫子曰く「戦うべきと戦うべからざるとを知る者は勝つ。」

 戦うべき時と、戦うべからざる場合の分別ある者は勝つという。「彼知己知」とは、双方の力量を推し量り、勝機の分別を付けるということだ。その分別の手法として、ポーターは競争の分析手法を提供している。

 

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