2019.07.01 月曜日

豊橋発:「深層現調」の言葉は知らなかった

 株式会社デンソーの2012年決算説明会資料に「深層現調」という言葉が出てくる(20頁)。


 https://www.denso.co.jp/ja/investors/library/settlement/2012/files/presentation-2012_0427.pdf 

 

 「深層現調」で検索してみると、「日本企業の海外生産を支える産業財輸出と深層の現地化」という資料が出てきた。2012年に作成されたもので、グローバリゼーションの進展に伴う製造業の構造変化について論及したものだ。


 http://merc.e.u-tokyo.ac.jp/mmrc/dp/pdf/MMRC419_2012.pdf 


 おおざっぱにいうとこうだ。日本企業は安い労働力を求めて海外進出した。しかし、材料、部品についてはローカル企業が未発達であったために日本製を利用せざる得なかった。その結果、2000年代に入って、円高にもかかわらず、日本の材料、部品などについては貿易黒字が拡大していった。


 現地で部品を調達するにしても、もともとの材料が日本製であったり、工作機械が日本製であったりするため、現地の部品調達率を詳しく検討してみると、現地調達率は意外に低いことが分かった。工作機械は減価償却費となって計上される。

 

「ある1次サプライヤーのタイ工場の場合は、見かけの現地調達率は70%だった、実際の現地調達率は30%に過ぎなかったとのことであった。見かけ上は30%の日本コストが、実際は70%と 2 倍以上になってしまったのである(図 6 参照)。」 


 現地に進出を果たした大企業はこうした日本由来のコストを「日本コスト」と呼び、これをいかに削減するかを目指すことになる。つまり、「元をただせば日本」から、材料、部品、そのものの「元」も現地にするという政策を進めている。先のデンソーの報告書にはそのことが示されている。


 「元」の部分からの現地調達を「深層現調」とよび、大手メーカーはこれを進めている。中小企業としてもこれに応じざる得ない。


 そして、この「深層現調」政策に対する対応策は、現地ローカール企業をいかに使いこなすか、ローカール企業とお客である大手メーカーとの間に割って入って、マネジメントする能力が試されることになる。もはや、海外進出だけでは足りないということになる。


 ここで、さらに考えていくと、ローカール企業をうまくマネジメントする能力があれば、何も海外に生産拠点を作らなくても、ローカール企業さえコントロールできればよいことになってしまう。実際、このような、ある意味「商社化」している企業は増えているように思う。


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