2019.07.08 月曜日

豊橋発:戦略の本質は独自の道を見いだすことにある

 「1分間マイケル・ポーター」はポーターの一言集だが、マイケル・ポーター勉強のドリルのようなもので、この一言をきちんと解釈できればポーターの復習になる。

 今日は「戦略の本質は独自の道を見いだすことにある」だ。どこかに出てきた言葉だが、どこに出てきたか見つからない。ポーターの著書は、競争優位を図るための戦略をどのように組み立てるか細かく記されている。「競争優位の戦略」は1985年の著作だが、今でも経営学の教科書的存在だ。

 たとえば、競争とは業界内で経営上の優位に立つことをめざす行為だが、必ずしもトップシェアを占める必要はない。大規模化させて規模の経済を活用するか、集中と選択を実践して特別な顧客に対応していくかは企業によって異なる。

 「利益」を競争優位の指標とみた場合、全体としての利益の量は大企業が優位かもしれないが、社員やオーナーの平均化した「利益」で比べれば中小企業の方が優位かもしれない。

 ポーターの分析手法は経営を科学するためのものであって、ポーターそのものが最善の戦略を提案しているわけではない。結局のところ、自社の資源の範囲、自社を取り巻く環境、自社の歴史的発展の経緯などがポーターの手法参考に使って分析され、ポーターの手法を参考に戦略を決めていくことになる。

 たとえば、ベビー用品の手作り感あるオリジナルグッズ、手作りの温かみと安全性、使いやすさをアピールすることで成功した企業があったとしても、全く同じ手法で行うことはできない。それは企業ごとに有する資源のレベル、取り巻く環境、歴史的発展の経緯が異なるからだ。

 どのような優れた分析も所詮は一般論で、最後は自社への当てはめ、自社との強い関連性と連続性を持たなければ役に立たない。

 もし、「経営コンサル」あるいは「アナリスト」と呼ばれる職業が役立つとしても、それは一般論までだ。
 なお、コンサルが優れているかどうかは、コンサルが提案した一般論の質の良さのみならず、この一般論と自社の選択との距離がどれほど短いか、かつ会社経営者に対してこの「短い距離」を自社に当てはめるための具体的なプロセスを提案するかによって決まる。

 逆に、経営側も「経営コンサル」の提案を所詮は一般論と切り捨てるか、一般論として役立つと受け止めるかは経営側のセンスが問われることになる。

 手作りベビー用品が売れている
 ① 売れているとはどのような現象を指しているのか
 ② 手作りとは何か。
 ③ 手作りと売れていることとの因果関係はあるのか。
 ④ 「売れている」とは利益を上げているという意味でよいのか。
 ⑤ 「手作り → 売れている → 利益を上げている」という因果があった場合の「競争上の優位」の要因は何か。手作りで高品質だけれども「安い」から売れるのか、手作りで高品質で「高い」から売れるのか。
 ⑥ 「安い」から売れるのであれば、「高い」として高級ブランド戦略は選択できないか。その逆は。
 など、など。

 こうした細かな分析はかなりの作業をコンサルに引き受けてもらった方が能力が高いかもしれないし、経営分析の要員を備えるコストに比べれば安いかもしれない。しかし、提案された内容はあくまで一般論でしかない。

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