2020.03.02 月曜日

豊橋発:経営理念の重要性

当事務所の中小企業法務のコンセプトは「経営判断に踏み込む」だ。法律業務は一般的には「リスク回避」だが、さらに踏み込んで法律判断が利益をもたらすもとなる必要がある考えている。私たちはこれを戦略的法学と呼んでいる。

 これは非常に難しいことだ。企業を取り巻く社会情勢、今、企業が直面している情勢、対決している相手との力関係を分析して最も利益を得られる選択をするというのが私たちが経営判断に踏み込むという意味になる。あるいは特定の政策実現のために最も有効な法的なシステムは何かも提案する。

 ともかくこうした経営上の理念は現実の行動と結びついて初めて意味をなす。事務所という組織が理念の前進に向けてあらゆる場面で機能して初めて実現するし、競合他社との競争に打ち勝つことができる。他社がまねでいない優位なサービスとなっていく。

 たとえば、イルカは海で生息できるよう特化している。「海で生きる」というコンセプトのもと体のあらゆる部分が特化している。そして、陸上ほ乳類にはない差別化戦略に成功している。

息がしやすいように鼻は頭部にあり、手足はひれに進化した。睡眠のメカニズムも地上の生物とは違う。相互の意思疎通を図るために鳴き声も特殊だ。つまり、体のあらゆる部分、細胞レベルでも「海で生きる」ために特別な形態となっている。

 人間の組織も同じことで、「経営判断に踏み込む」というだけでは意味がない。一つの突出した行動だけでも意味はない。足だけがひれになっても海で生き抜くことができないのと同じだ。全部が変わらなければ差別化は成功しない。

 事務員は正確に帳簿を処理するし、自ら処理することと弁護士に報告すべきことを正確に理解しなければならない。弁護士は経済社会情勢の分析力や経営学的な勉強も必要だろう。

 つまり、事務所のあらゆる行動が理念実現に向けて進化、深化する必要がある。さらに組織である以上、個々の行動の「関係性」が進化、深化される必要がある。事務員同士、弁護士同士、弁護士と事務員、組織全体と事業活動する上で必要な関係はさまざまある。この関係に着目し、顧客へのサービス実現に向けて効率的、創造的に深められる必要がある。社長や幹部は個々の能力、個々の関係を組織全体として最適化することが任務となる。

 理念を実現するとは実にたくさんの課題を一度にかかえこむことは上記の通りだ。こんなことを全部、完璧に分析することは不可能だし、時間の無駄でもある。こうした問題は実際には仕事上の個々の局面での総合的な判断に支えられる。理念の基に深められた個々の人格や、組織全体の文化風土に依存する。

 つまり、「いやな感じ」、「これはいい感じ」、「いま動かないでどうする」といった「感じ」の鋭敏さによって最後は判断されていく。
 多様な分析や問題提起、意思疎通は非常に重要だ。しかし、こうしたたくさんの情報と学習、経験が総合された結果生まれる人格や組織の高みこそ、他社との差別化に成功し、競争優位を勝ち取る鍵となる。「経営理念」はその「高み」の象徴となって組織を引っ張っていくし、組織の進化や深化を作り上げる。

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