名古屋E&J法律事務所ブログ

2013.12.02 月曜日

震災政策の理念

 うちのばあさんは震災で日本経済がよくなるかもしれないと言っている。震災でたくさんの物が壊れて、新しい需要が生まれるというのだ。家が建つし、道路も整備される。多くの公共工事が行われるという。しかし、一方で、私にはハゲタカみたいなまねは「やめときゃあ」と注意している。
 
 東日本大震災のような未曾有の災害を前に国家政策も大変なことだろう。テレビでは政治家たちが「国難」と気安く呼んでいるが、明快な理念がないというのが一般的だ。災害を前に国家全体のマネジメントはどのようにあるべきだろうか。
 
 トップマネジメントは明快な理念が必要だ。国民のウォンツを明快にとらえ、組織を組み立てていく。誰もが願っているのは、被災した誰もが一人一人大切にされて、復興を遂げたいと思っている。そのための最も相応しい理念を政府は提示しなければならない。
 
 それは、「最も弱い者から救え。」という考えではないだろうか。親を失った子供、介護が必要なお年寄りといった、一人で生きていくことが困難な人たち。次に、生活のすべを失って明日からの生活に絶望を感じている人たち。という具合に弱い者から救う作業を持続させることで、落ちこぼれなく救済の道が開けていくと思う。国民は国家に「やさしさと希望」を求めている。それは国家が一人一人を必ず救済するという決意を示すことではないだろうか。だからこそ私は「最も弱い者から救え。」と考えるべきだろうと思う。
 
 「コミュニティの復権」も大事な理念だと思う。地域を失い、産業間も含めてコミュニティが失われた。誰もが今努力していることはコミュニティの復活だ。政府はこの機会にさらに、復活だけでなく、地域がさらに繁栄するようにコミュニティー重視の都市政策、経済政策を掲げるべきだ。小さな社会でエネルギーがまかなえ、廃棄物も処理され、下水も処理される。人々は歩いて生活の用を足すことができる。顔の見える社会は誰もが大切にされていくだろう。小さな単位の社会が自立することで災害リスクも分散できる。
 
 政府はコミュニティの復活のために、コミュニティをつなぐ通信網、交通網などインフラを整備する責任を負う。地域経済のあり方をよく分析し、地域の中小企業が求めている援助措置を決めていく。大企業はコミュニティの経済復興を奉仕する。中小企業の復活のために積極的に投資し、工作機械を貸与する、必要な商品の発注を行う。
 
 原発事故は未曾有の被害をもたらした。その被害は限りなく高い。政府はエネルギー政策の考えを根本的に改めるべきだ。「低エネルギー社会」これを打ち立てた上で、原発のリスクに対する考え方の根本的見直しを提言するべきだ。未曾有の被害に対しては、これまでの価値観を根本的に変えるぐらいの発想が必要だ。「低エネルギー」な社会では自然により近い社会であり、人々がより幸福になれる社会かも知れないのだ。
 
 こうした、災害対策の基本的な理念を打ち立てた上で将来展望を見渡した復興政策を立てることになるのだろう。私は「グローバリゼーション」と「持続社会」の我が国が目指す大きな方向だと思っている。