名古屋E&J法律事務所ブログ

2015.04.24 金曜日

民法改正、自然人による第三者保証人の保護

  表題の自然人というのは生命・身体を持った個人を言う。法人は会社等法律によって存在が認められた人格だ。連帯保証の態様は多様であり、法人など機関などによる保証まで否定する必要は無い。問題は自然人だ。
 
  民法改正作業が進んでいるが、連帯保証をどのようにするか大きな争点となっている。中小企業法務の立場からすれば、信用供与を害さない範囲で保証人保護をいかに図るかが重要となる。
 
 この中小企業庁は信用保証協会に対し、金融機関経営者本人以外の第三者を保証人として求めることを原則禁止にするよう指示した(平成18年3月31日)。現在では銀行などの金融機関は原則として第三者を保証人にはとってはいない。
 
 しかし、例外は存在する。信用保証協会の例からすれば、次のような例外が存在する。こうした
 
  ① 実質的な経営権を有している者、営業許可名義人又は経営者本人の配偶者(当該経営者本人と共に当該事業に従事する配偶者に限る。)が連帯保証人となる場合 
  ② 経営者本人の健康上の理由のため、事業承継予定者が連帯保証人となる場合
  ③ 財務内容その他の経営の状況を総合的に判断して、通常考えられる保証のリスク許容額を超える保証依頼がある場合であって、当該事業の協力者や支援者から積極的に連帯保証の申し出があった場合(ただし、協力者等が自発的に連帯保証の申し出を行ったことが客観的に認められる場合に限る。)
 
【自然人連帯保証の禁止】
  第三者の保証人についてはどのように考えたらよいかまだまとまっていないが、やはり法律によって原則禁止にするべきだろう。信用保証協会の例外の存在は止む得ないが、連帯保証の危険性からすれば、原則として禁止することで例外の範囲も狭まっていくのではないかと思う。
 
【情報の提供】
  ① 連帯保証人になる際に主債務者の情況が分からないまま連帯保証人になることがある。この場合、主債務者からの情報提供はもちろん、債権者側からの情報提供も義務化するべきだ。銀行などは主債務者の信用悪化を隠しながら保証人にしてしまうというような例もかなりあった。
  ② 連帯保証締結後の情報提供は必要不可欠だ。金融機関は主債務者のプライバシーを配慮して支払情況を保証人に伝えることはない。主債務者が未払いとなり、相当高額となってから連帯保証人に請求するということはめずらしくない。連帯保証人にからすれば、どうしてもっと早く知らせてくれなかったと悔しい場面になる。
 
【比例原則】
  これは、個人債務者に対し、支払能力を超えた多額の負債を負わせることを禁じるためのものだ。この比例原則経営者保証においても当てはめるべきだ。なお、比例原則を適用する場合には、訴訟上の負担が大きくなると言う批判があるが、諸外国では例があることであるし、実務的に重要な話とは考えられない。