名古屋E&J法律事務所ブログ

2017.03.28 火曜日

部品納期の遅れと損害賠償 (1)

 部品の納期が遅れた場合,当然債務不履行になる。この場合の損害の範囲が問題になることが多い。愛知県は自動車関連産業が多い。そのためジャストインタイムが広く徹底しているため,納期の遅れというのは企業にとってかなり致命的な問題になる。
 
 たとえば,ねじ,メッキ,プレス加工,プラスチック製品と一つ一つの単価が非常に低い上に大量に必要な部品の場合であってもジャストインタイムは第何次下請けというレベルまで徹底している。一定の部品の供給の遅れが,そのままどこかのラインの停止につながるという恐ろしい事態も考えられる。
 
 しかし,人の力には限界がある。厳格にコンピュータ管理による発注システムにカンバン方式を組み合わせていてもどこかで入力ミスがあるかもしれない。第何次下請けというレベルになると,手作業レベルが増えてくる。どこかで,2月末日納期を間違えて3月末日納期と記録するかもしれない。
 
 自動車産業ばかりでなく,たとえば公共工事を大手から下請けにもらうような場合では納期はかなり厳密になる。2日や3日の遅れは何とかなるかもしれないが,さらに大きなものとなるとただではすまない。納期の遅れがたとえば部品の欠陥によるものである場合にはさらに深刻となる。
 
 このように,納期が遅れた場合にどのような損害賠償請求が発生するだろうか。
 ラインの遅れによる何億の損害を賠償させられてしまうのだろうか。
 
 たとえば,YがXに対して,特定の製品部品を発注したが,Xの納期が遅れた場合はどのような損害発生するだろうか。
 ① Xは遅れた分だけの遅延損害金,つまり代金相当額の利息のようなものが発生する。
 ② Xが遅れたことにより,Yの次の製品の納期も遅れてしまい,賠償金を払った。
 ③ Xが遅れたことにより,Yの製品は納期に間に合わずキャンセルになった。
 ④ Xが遅れたことにより,Yの製品の納期が間に合わずYと大手との取引が中止になってしまった。
 
    → 次の№1350に続く  http://blogs.yahoo.co.jp/lawyerkago/38472119.html