名古屋E&J法律事務所ブログ

2017.03.29 水曜日

初動の重要性

 企業紛争では初動がきわめて重要だ。
 問題が起きたら直ちに弁護士に相談して証拠収集や交渉についての基本方針を作り上げることが必要だ。
 
 企業間の紛争は相手方にも何か言い分があることが多い。しかし,相手の言い分にいちいちひるんでいては負けるばかりだ。初動で十分な資料を収集してどこで勝つかについて方針を明確にする必要がある。
 
 たとえばA社,B社,C社などと複数の会社が関与しそれぞれに役割があるような場合一カ所の責任ではすまない。全社巻き込んでトラブルを解決する姿勢を示すか,直接の相手方であるA社だけを相手にするかを決めなければならない。A社だけを相手にするなら,次はどうするか考えてA社を相手にするべきだ。
 
 何も方針もなく,とりあえずA社からなんていう方針は愚策としか言いようがない。A社を相手しているうちに時間がどんどん過ぎてしまい,3年も4年も経ってから相手にしていたのでは,何を今頃寝ぼけたことを言っているのだということになる。
 
 信じられないかもしれないが,実際にこういう事件はある。何で今頃この事件を相談するのですかと尋ねるとたとえば,別の弁護士の能力が低かったり,あまりの難事件のために決断ができなかったりする。とりあえず内容証明出しときましょうとごまかしてずるずる行っているのだ。
 
 時間が経っていることの問題点は次の点にある。
 
① 関係者がいなくなったり,関係者の記憶が薄れ,事案の本質を聞き取ることが難しくなる。
② 証拠が散失したり,消去されたりして大事な資料が乏しくなる。
③ 相手に解決しようという意欲が失われてしまう。
 
 そして,最も困るのが消滅時効だ。
 会社関係の事件は通常は5年の消滅時効にかかる。さらに特別の場合に2年だったり,3年だったりする。