名古屋E&J法律事務所ブログ

2017.04.13 木曜日

企業法務部の役割,顧問弁護士の役割

 法務部が活躍している企業は企業の中でもかなり大きな会社ではないだろうか。私の経験では上場企業であっても法務部は存在するが必ずしも十分機能しているわけでは内容に見受けられる。
 
 法務部の役割は一般的にはまず社内のコンプライアンスがある。法令遵守について基本的な宣言やルール,教育と言った課題があるだろう。他にも最近だと情報管理にかかわるルールや,ソーシャルメディアへの社員の参加のルールなども課題かも知れない。
 
 対外的な活動については,契約書の検討がある。契約や事業活動に伴う様々なリスクを最小限に抑えていく,あるいはリスクが具体化しても切り抜けられるようにする,こういった検討が行われる。
 
 また,行政や警察の関連では刑法などの取締法期,独占禁止法など行政関連法規との抵触の有無などが問題となるだろう。最近だと消費税に伴う値引き問題が法務部の役割としてあるかも知れない。
 
 しかし,法務部の醍醐味は戦略的に法律が利用できるような場合ではないだろうか。たとえば,フランチャイズシステムを導入するとか,スピンオフする社員との連携の課題であるとか,外部イノベーションを取り入れる際の裁量のスキームの開発とかいろいろある。いずれも企業の経営拡大に積極的に関わっていく点で,防衛的な法学とは異なる。
 
 こうした法務部と顧問弁護士との関係はある点では教育的な関係になる。
 私の場合,大企業を顧問しているわけではないので大企業の優秀な法務部と大事務所との関係はよく知らない。私の関係する中小企業あるいはやや大きめの企業については法務担当と言っても十分機能しないため,その関係は教育的だ。
 
 たとえば,新しい事業を開拓する場合に,その事業の展開と最適な契約形態をどのように構築するかという課題に直面するとする。法務担当者は必ず弁護士と相談する。弁護士は他社の事例や,裁判事例を知っているので,担当者の知らない知識を提供できる。
 
 また,私たちは日常的に訴訟に携わっているため,特定の法解釈や契約がどこまで通用するかがある程度分かる。その辺りのある種限界的な判断を担当者に提供することになる。担当者は,そんな風に使われるのかと自分のやってきたことの重要性を理解することになる。