名古屋E&J法律事務所ブログ

2017.04.14 金曜日

中小企業のアジア戦略

 アジア市場の融合化が進行している中,中小企業のアジア展開の戦略を考えることは必要不可欠となっている。製造業の場合,中小企業は常に大企業との関係で自分の立ち位置を考えていく必要がある。それが特定のお客さんとの関係であろうと,複数のお客さんとの関係であろうと,大企業の世界戦略を読みつつ自分はどのような切り口で顧客を獲得するかを考えることになる。
 
 自動車産業の場合,部品,部材,素材,機械,工具などを供給する中小企業がたくさん存在して成り立っている。こうした個々の企業を裾野産業と呼ぶようだが,自動車産業にとってその集積は必要不可欠となる。
 
 たとえば,自動車産業のタイ進出は1997年アジア経済危機を境に大きく変化した。この時期,ASEANの急成長に応じて生産量を拡大していた。そのため,急激な市場の落ち込みに対して事業のダウンサイズが追いつかない事態となった。
 
 タイ進出自動車産業はタイを輸出の拠点に変化させることでこの危機をしのいでいった。その後,タイはASEANだけでなく世界各国への自動車の輸出の拠点に成長し,今日に至っている。タイにはASEAN,中国などアジアの経済成長を見込んだ投資が行われ,タイ国内の自動車産業は順調なようだ。
 
 こうしたタイの動きにあわせて国内の中小企業もタイに進出を図っている。大手企業の要請を受ける形で進出していった例もあるし,取り立てた後ろ盾もなくタイに進出した企業も存在する。しかし,タイで生産拠点を作ることに成功した企業は新たな顧客を獲得し,事業を拡大してきているように思う。
 
 自動車産業の場合,サプライヤー群などの産業の集積が一定必要な産業であるため簡単に地域を離れることができない。一方,電子産業のような場合は移動は早いかも知れない。アジア内の競争も厳しいため,突然工場が閉鎖されてしまうと言うようなことがあるかもしれない。
 
 中小企業にあっても,こうしたアジア経済の変動,自分が依拠しているメーカーの動向は常に注視し,すでにあるお客さんとの連携の強化を図る一方,リスク分散の為の次の一手を常に用意しておく必要がある。