名古屋E&J法律事務所ブログ

2017.04.24 月曜日

売買基本契約書の注意事項

 大企業の場合,法務部が完備していて契約書をチェックしていく。中小企業の場合,顧問弁護士が大企業の法務部の役割を演じることになる。私たちの場合,大企業の法務部と違って訴訟をも進めるので契約書はより紛争の実態に即したものになるという強みがある。
 
 一口に基本契約書と言っても様々だが,売買が典型的なので少し解説したい。
 売買はもっとも基本的な契約で,物を売って,お金を払うという契約だ。そもそも,それができればトラブルはない。
 
 売買の基本契約書はこの物を売って,お金を払うという基本構造を基本にして緻密にしていくことになる。この構造は海外取引でもかわりない。
 
① 契約成立時期
長期にわたり,物を売買する場合,そもそもいつ契約が成立するかをはっきりさせる。発注書,受注書,必ず書面化しなければならない。修正も必ず書面化させる。
② 物の品質
  物の品質もどのように決めるかはっきりさせる。仕様書なのか品質合意書なのか技術者同士の合意があるはずなので,品質の特定は非常に重要だ。
③ 物の納入
  商品が導入されて,検品の方法を明確にする必要がある。海外取引の場合には特有の難しさがある。
④ 代金の支払い
  代金の支払いは商売の生命線だ。締め日,支払時期など普通はこれだけはしっかりしている。特に海外取引の場合はかなりしっかり決めることになる。
⑤ 物の保証と補償
  物に問題がある場合の処理方法を決める。どういう場合を欠陥というのか,欠陥を主張できる場合の処理をどうするのかなど取り決めておく。
 
 ある企業の法務部の本によると彼らは契約締結するにあたって,次の点に注意しながら基本契約の交渉を進めるそうだ。
① 債権の保全・回収
② 保証責任の軽減
③ 知的財産,技術上のノウハウの保護
④ 自由な営業活動の保証
 
少し私たちの思考方法と違う。私たちは法律的な体系に従ってもれのないようにするのだが,彼らは実践的な取引上,どこで利益をあげるか,どこでリスクを回避するかを基本にこう見立てていく