名古屋E&J法律事務所ブログ

2017.04.25 火曜日

企業ごとに存在する課題があるかな

 顧問弁護士の役割は時に事業上の課題を指摘する場合がある。これは過去の紛争の経験から必要な教訓を伝える作業だ。企業は発展の段階や産業の性質から特有の問題をかかえることが多い。顧問弁護士の役割に,長く放置された課題に対して解決に向けて社長の意欲を固めていくという作業もある。
 
 たとえば,急激に成長している企業は負債の問題に要注意となる。社業の馬力で営業を延ばしているため,経理などの体制はおろそかになっていることが多い。会社の最大の経営課題は営業だ,お金さえ入ってくれば何とかなると考える。業績が伸びているから借金も苦にならない。
 
 しかし,踊り場に出たとたん借金が大きく被さっていることに気づく。つまり,業績が伸びているためにいつのまにか人件費などの固定経費が大きくなりすぎたり,あるいは当面の運転資金を先に回収した資金で支払っていて,いつのまにか自転車操業になったりしているような場合がある。事業の成長が止まった段階でたちどころに資金ショートする。
 
 一定成功を収め,そこそこ長く経営が続いている場合は事業承継が課題になっていることが多い。特に不動産などの資産をため込んでいるような場合は相続税が大きな負担になるがお金の相続税などの支払いの資金源がないことがある。社長が事業承継を考えないばっかりに息子が苦労するということもある。
 
 産業ごとにも課題に個性がある。
 たとえばソフトウェアなどの知的作業分野は労務問題が大きな課題になることが多い。賃金が高額な上,残業がたくさんあり,さらに管理が難しいため未払い残業の問題が意外なほど深刻になる。また,こうした知的作業の分野は「企業秘密」が重要な課題となる。商品に関するデータはもちろん,顧客データなども時には何万人にもなるため管理はきわめて重要だ。不正競争防止法などを考慮した社内体制の整備が必要となる。業務提携契約の見直しも必要かもしれない。
 
 製造業は多くは銀行対応が大きな課題だ。請負業,派遣業との区別なども課題かも知れない。クライアントの継続取引の契約書喪重要かも知れない。借金が多いことが多く,その整理や銀行政策も重要な課題だ。最近は海外対応が重要な課題だろう。
 
 このように企業には必ず起業後との解決するべき課題が存在する。それを見つけ出し,社長と対話していくことも顧問弁護士の重要な役割となる。