名古屋E&J法律事務所ブログ

2017.05.09 火曜日

「検収」と契約条項

 部品など製造物を供給する契約をする場合,代金の支払いと並んで検品は大きな問題の一つだ。物を売るとは,お金を払って,物を得るということだ。「検品」は物を納める最も重要な関門の一つだ。法務の分野では売る側,買う側,「検品」条項を巡って攻防が繰り広げられる。

 「検品の後に受領した」とは「引き渡しが無事終了した」ということを意味する。
  売主からすれば,引き渡しが無事終了したのであるから後から文句を言うなとうことになる。
  買主からすれば,後から見たら不十分だとうこともあるので,検品で全て終わりということにはしたくない。

  今はかなり減ったが,下請代金を引き延ばすために「検品」を口実にすることもある。まだ検品中だと言いがかりをつけて代金支払いを引き延ばすのだ。これは場合によっては独占禁止法や下請法違反となる。

 「検品条項」をめぐっては,契約上次の点を注意する必要がある。
  ① 検品の方法
    一口に検品と言っても不明確な方法がある。基本契約には「別途当事者が協議して定めた検品方法に従い」といった条項が必要だ。

   ② 検品に要する期間
    検品をいつから始め,いつまでに終わらなければならないか明確にする必要がある。「受領後直ちに検品を開始し、1週間以内に終了するものとする」とかいろいろ定める。

  ③ 検品終了しなかった場合の効果
    もし,受領側が検品終了しなかった場合は検品終了したものとみなすという条項を入れるのが望ましい

  ④ 検収
        できたら何をもって検収とするかは明確にした方がよい。
    特にあらかじめ専門性を有する機械などは検収の基準を決めておかないとトラブルの原因となる
 
  ⑤ 検収の効果
    検収に対してどのような法的効果を与えるのかが法務上最大の争点となる。
    売主側,買主側,立場によって弁護士が行うアドバイスも違ってくる。

    検収の結果,原則としてクレームを言えないとするか、表面上分からない欠陥(我々は「隠れた瑕疵」ような呼び方をすることもある)をどう処理するか,クレームを申し出ることができる期間をどうするかなどいろいろ解決するべき問題がある。