名古屋E&J法律事務所ブログ

2017.05.10 水曜日

製造販売契約の「製造物責任」条項

 製造物責任は商品の「欠陥」によって人の生命身体,財産を害した場合に責任を負う。「欠陥」つまり,「通常有するべき安全性」を欠いた状態があると,製造者などは損害賠償責任を負う。
 
 ものを製造して販売する場合,大量販売する場合がある。この製造物責任が問われて大きな賠償問題に発展する可能性がある。製造を委託する場合,契約条項をどのように決めるかは法務上重要な課題の一つだ。
 
 原則はやはり,PL保険でまかなうということになるだろう。保険料をどちらが負担するかは当事者で決めてもらうほかはない。
 
 甲は、本目的物の欠陥(製造物責任法2条2項に定義されるところによる)に
よる第三者の生命、身体または財産への侵害によって生じた損害につき第三者から甲または乙に対して請求がなされる場合に備えて、生産物賠償責任保険に加入するものとする。当該保険の付保の範囲,費用の負担については、甲乙協議のうえ決定するものとする。
 
 ところで,製造物責任は製造者ばかりの責任で発生する訳ではない。
 注文側が指示した仕様書が悪かったり,注文側の販売に際しての説明書が不備だったりする場合もある。「製造物」責任という言葉に惑わされて何でも製造側が責任を持つという条項を容認してはいけない。
 
 甲乙は、本目的物の欠陥によって賠償するする場合で,生産物賠償責任保険で補填されなかった部分が自らの責に帰すべき事由に基づく場合(本目的物の仕様、金型に起因する場合には、甲の責めにきすべき事由に基づく場合に含める)には、相手方当事者に生じた一切の費用および損失(クレームの原因解明,クレーム処理費用も含む)を相手方当事者に対して補填するものとする。