名古屋E&J法律事務所ブログ

2017.05.10 水曜日

「マネジメントできる人材」の特別なところ

 ドラッカーは経営資源のうちでも人材は特別だという。とりわけマネジメントができる人材を確保することは非常に難しい。一騎当千とはよく行ったものだ。


 「人間を『働かせる』以上は,必ず相手の能力を伸ばすことになる。どの方向に伸ばすかによって,相手が人間として,そしてまた経営資源として,果たして生産性を高めるか,それともまったく上げられないかが決まる」

 経営を分析する,会議をしきる,面接を行うというような「技能」は学ぶことが出来る。生産現場で言うなら機械やシステムを動かす技術などは学ぶことができる。

 「しかし」とドラッカーは言う。「人材を育成するためには資質が求められ」「その資質とは誠実さである。」
 従って,
「他人を評価する際に,誠実さよりも頭のよさを重視することはない。」

 この誠実さは,けっして人付き合いのよさ,人に愛情を注ぎ込む,仲間とうまくいくということがその資質とは限らない。

 組織における誠実さの核心とは次のことだ。
「部下に対しても自分に対しても,仕事への厳しさを要求する。高い基準を示し,その基準が満たされるよう期待する。『何が正しいか』だけを考え,『誰が正しいか』などという点は決して問題にしない」

 こんな風に書くと,スタートレックのスポックのような人格が浮かび上がってくる「合理性」こそ至上の価値というあのスポックにはある意味優れた管理職としての資質があるのだろう。

 しかし,人は合理性だけでは動かない。スタートレックでもスポックは特別好かれていたわけではない。社長や上司に愛情を感じる関係や,自分に対して責任を持ってくれるという安心感,日常生活での楽しさ,こういった人間が幸福になるためのエッセンスも必要だ。やっぱり、カーク船長はいいですね。これは組織の文化の問題だ。この文化を引き出すのもまた、すぐれた管理能力ある人材ということになるからややこしい。
 
 (引用は「マネジメントⅢ」日経BP社より)