名古屋E&J法律事務所ブログ

2017.06.19 月曜日

企業文化 (企业文化)

ビジネス中国語の教科書では「企業文化」がテーマとなっている。この教科書,2005年にできたもので,中国のWTO加盟以後の競争社会を強く意識している。中国も世界の競争社会入り,本格化してきたというような期待感と危機意識に溢れている。

 
 この教科書は北京大学出版によるもので,読んでいると中国研究者が最新の経営学をよく研究し,それを何とか普及させていこうという気概を感じてしまう。明治初期,西洋文明を何とか日本に定着させようという当時の日本の研究者達の気概と似ている気がする。
 
 ともかく,企業文化は「我们这里的办事方式」,つまり「自分たちのここでのやり方」という定義が出てくる。日本では「組織のメンバーが享有するものの考え方,ものの見方,感じ方」と定義されている。
 
 組織に共通する価値観が企業文化の核心だ。そうした価値観から企業としての認識・思考のルールといった思考の方式がある。たとえばIBMは「我が社はハードを売るのではなく,ハードの機能を売る」という。そうした思考方式が企業文化の一つだ。
 
 さらに,企業の行動規範も企業文化を構成する。何が正しいか,なにをなすべきかというルールも企業文化の中から出てくる。価値観,思考方式などのパラダイム,行動規範は企業文化の基本的内容だ。
 
 中国語の教科書では全社員が共通の価値観を持つことが企業を発展させる鍵だという。さらに,「企业文化也是一种待遇」(企業文化は待遇の一つ)とも言う。つまり,豊かな企業文化を持つことは,職員にとっても有益だというのだ。職員達は優れた企業文化の中で働くことで仕事上の満足を得るし,さらに自分の価値を上げていく。だから職員の「待遇」つまり給料や福利と同じように待遇の一つだというのだ。
 
 教科書はさらに続く。 「一个优秀文化的企业最?得怎样对带自己的员工,最?的怎样将员工养成?用的人才」(優秀な企業文化がある企業は自社の職員に対しどのように接するかがよく分かっているし,役立つ人材としてどのように成長させていくかをよく分かっている。)。確かに,人は企業文化の中でプロフェッショナルとして成長していく。
 
 きわめつけは,「我们必须以身作则」(私たちが身をもって実践しなければならない)つまり,社長や幹部が率先して初めてよい企業文化はできあがると言う。
 
 この教科書,このように経営学のエッセンスが凝縮して紹介している。よほどよく研究しているように思うし,おそらく中国政府は関係企業に最新の経営学を取り入れるよう指導していたに違いない。中国がWTO加盟したのは1986年だからすでに30年近く経つ。その間,企業として鍛えられ,優秀な経営者も出てきた。私は中国のある経営者が自分はドラッカーの愛読者だと言っていたのを忘れられない。