名古屋E&J法律事務所ブログ

2015.07.18 土曜日

取引するなら別団体を窓口に通せ

 特定の事業者の中には,うちと話をするなら特定の団体を窓口にして話をしてほしいというやりとりがあることがある。経験的にはこういうことは小売系の大手に多い気がする。
 
 それが生協ような団体であっても,特定の団体の口利きを,あるいは特定の団体のコンサルを受けるように「事実上」指示することがある。なぜ,そのようなことが起こるか理解しかねる。
 
 ともかく,こうした意味の無い顧問契約,コンサルタント契約を締結して,事業者は定額の口利き料を支払うほか,売上の何%かをコンサル料として納入する仕組みになっていることがある。こういうような相談を受けると何か怪しいと思うのが普通だろう。あまり意味もないのに高額な支払をする点がおかしい。
 
 弁護士がこうした相談を受けた場合次のような思考方法で問題点を解明していく。
 
 本来事業者とは自由な競争の中で自由に契約を締結するのが原則だ。そこで,別団体の口利きを要求するという行為はこの自由な経済活動を阻害する活動ではないかと。そこで,検討対象となるのが独占禁止法とその特別法である下請法との関連だ。
 
 独占禁止法は自由な経済取引を保障する法律で,その中に「不公正な取引」を禁じる条文がある。力関係にものを言わせて,健全な取引慣行に違反して本来の取引上の義務のない行為を行われるような場合は違法となる。
 
 たとえば,特定の商品の納入を認める代わりに別の商品を買うよう指示するような行為は優越的な地位の濫用と言って違法行為となる。上記のような場合は,コンサルタント契約を抱き合わせるような取引になるため,独占禁止法に違反する可能性がある。もちろん,コンサルタント契約をかませることに経済的な合理性があれば別だが,私の感じでは天下りの温床のようになっていて,あまり経済的な合理性を感じないことが多い。
 
 なお,独占禁止法違反と言うことになれば,公取が介入し,事業者は事業者名が公表される上,罰則もあり,多額の追徴金を支払うことになる。中々使えないが,最後の最後には使える。
 
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