名古屋E&J法律事務所ブログ

2017.07.24 月曜日

業界の構造分析の核心は創造性かな。

 マイケル・ポーター「競争の戦略」(ダイヤモンド社)を読み始めている。
 マイケル・ポーターさんは有名な5つの競争要因を論じている。彼の書物は分厚いのだけれども,論じている内容は常にシンプルにまとめあげられている。優秀な者ほど話を単純にし,能力がない者ほど話を複雑にするとはよく行ったものだ。
 
 ポーターは言う。
 業界とは「互いに代替可能な製品をつくっている会社の集団」と定義する。確かに代替不能な商品間では競争は生じない。業界を定義する過程で自社の事業を見直すことも可能だろう。自社が業界のどこで戦いたいか,あるいは別の業界で戦えないかという,「創造性」が発揮される。
 
 業界の競争の構造を決める5つの要因とは次のようなものだ
 ① 競争業者間の敵対関係
 ② 新規参入者の脅威
 ③ 買い手の交渉力
 ④ 売り手の交渉力
 ⑤ 代替品の脅威
 
 ポーターはそれぞれについて,分析方法を例示していて興味深い。
 たとえば,業界の競争構造を決める上で,「新規参入の脅威」というのがある。業界が規模の経済性をがめだつものであれば,それは一つの新規参入の障壁となる。新しい自動車産業を起こすことは一般的には非常に難しい。
 
 あるいは,作業を共同化することにより,共同のコストを引き下げ競争力は向上する。同時にこれは共同できない新規参入者の障壁となって現れる。この共同作業はたとえば輸送コストの共同化というものあるだろうし,ブランドの共同化というものもある。
 
 こういった「障壁」あるいは競争激化の要因を考えているうちに,自分はどうしたいか見えてきて,さらに思わぬ創造的なアイディアがわいてくる。ポーターの競争要因分析は自社の競争戦略の策定のアイディアの源泉となる。そして,思わぬ創造性によって自社の競争戦略を組み立てていくことになるだろう。