名古屋E&J法律事務所ブログ

2017.09.19 火曜日

ソーシャルリクルーティング実施上の法律問題

 ソーシャルリクルーティングというのはフェイスブックやツイッターなどのソーシャルメディアを利用して就活社からの情報を獲得しようというものだ。最近の就活ではインターネットはもう当たり前になっている。企業側もインターネットを通じて求職者の情報を収集することはどうも当たり前のようだ。
 
 こうしたソーシャルメディアを利用した採用について問題点なども存在する。
 
 米国ボルチモア市の警察官募集でFacebook のパスワードを尋ねられたという事件がり,必要以上に個人情報に介入するものだとして社会的な議論をもたらしている。既に公開されている情報は問題は無いが,このように「個人的な世界」に企業が介入するのはかなり問題がある。
 
 ウェブ上の限られた範囲でしか交流しないコミュニティの中では限られていることを前提にした多くのやりとりが存在する。個人的な体験のほか,宗教的なこともあるかもしれないし,思想的なやりとりがあるかもしれない。企業がこのような個人の問題に過剰にアクセスするのはプライバシーを侵害するものとして許されない。
 
 たとえば,職業安定法第5条の4は次のように定めている。この公共職業安定所等の「等」には会社側も含まれている。
 
「公共職業安定所等は、それぞれ、その業務に関し、求職者、募集に応じて労働者になろうとする者又は供給される労働者の個人情報・・・を収集し、保管し、又は使用するに当たつては、その業務の目的の達成に必要な範囲内で求職者等の個人情報を収集し、並びに当該収集の目的の範囲内でこれを保管し、及び使用しなければならない。」
 
 この外にも個人情報保護法では「個人情報の適正な取扱いを確保」(4条,5条など)のための措置を国や地方公共団体に義務づけている。この「適正な取扱の確保」にはOECDの「収集制限の原則」(適法・公正な手段により、かつ、情報主体に通知又は同意を得て収集されるべき)が含まれていると解釈されている。
 
 このようにソーシャルリクルーティングについてはいくつか注意するべきことがあって,たとえば社長と将来の社員とがもっと親密になるべきだと考え,「君に友達申請しようと思うが承認してくれるか?」などということを安易に考えると問題が生じる場合があるから注意を要する。