名古屋E&J法律事務所ブログ

2017.10.16 月曜日

中国技術移転にかかわる契約

中国では1999年に契約法が施行された。個別の契約類型ごとにルールを定めたもので,日本では「債権各論」と呼ばれるものである。

 
 中国契約法320条以下に「技術契約」について定めている。日本の民法にはこの種の類型を示した条文はない。この類型を日本式にあえて言うならば知的財産にかかわる契約と委任契約などが組み合わされたものということになろうか。
 
 契約法320条は次のように定めている。
「技術契約とは、当事者が技術開発、譲渡、コンサルタント、及びサービスに
ついて締結した相互間の権利、義務を確定する契約をいう。」
 
 この場合の「技術」については特許のように知的財産として確立しているものもあれば,技術というよりは「ノウハウ」にかかわる問題がある。さらにはコンサルティングや技術にかかわるサービスの提供のようなものも存在する。こうした様々な内容について中国契約法の射程範囲が問題になっている。
 
 特許などの知的財産にかかわる契約は明快でわかりやすいのだが、それ以外のノウハウ(中国では「技術秘密」)の契約がどれほど役立つかはわからないところがある。技術秘密移転契約であるとみなされれば、それに加えられた制限違反はすべて無効とされる可能性がある。
 
 たとえば、「中華人民共和国技術輸出入管理条例」29条には次のような制約が存在する。
① 不必要な付帯条件の強制(抱き合わせ販売など)
② 無効特許に対し使用料の支払いまたは義務を負うことを求める
③ 不合理技術の改良の制限
④ 不合理類似技術または競合技術の取得を制限
⑤ 不合理調達または調達ルートの制限
⑥ 不合理な数量、種類または価格に関する制限
⑦ 不合理な輸出制限
 
 また、役所に対する届け出も必要な場合が出てくる。
 本来、技術的な秘密を役所に届けなければならないというのはどうもよろしくない。出入国管理条例では技術を受ける側にかなりに自由度を許すことになるがこれもどうも問題があるかも知れない。