名古屋E&J法律事務所ブログ

2017.11.27 月曜日

グローバル戦略と中小企業

マイケル・ポーター「競争の戦略」も13章「グローバル業界の競争戦略」まで進んできた。ここは国際的に展開する多国籍企業の戦略に触れられている。彼の問題意識は国際展開によって競争上優位を確保できる企業が国際展開するという発想だ。

 
 トヨタは国際展開によって競争優位を獲得する。だから国際展開しなければならないし,国際展開しなければ滅ぶ業界に位置するという。その具体的意味はとても興味深い。単純に言うなら,グローバルな規模が何らかの「規模の経済性」を確保するという点が核心的なところだろう。
 
 それは単純に大規模であればコストが下がるというようなことではない。たとえば,国際規模で蓄積される経営資源を特定の国,たとえば中国,インドなどに集中させることにより新たな優位を獲得するというような考えも含まれている。ともかく,いろいろあるのでここでは書き切れない。
 
 このように国際化することが競争上求められている企業の分析だが中小企業の経営の国際化にとっても役に立つフレーズはたくさんある。
 
■ 企業が国際活動に加わるには3つの基本的な型がある。
  ① 技術供与
  ② 輸出
  ③ 海外直接投資
  私の顧問先でも,まず自社に招いた研修生を大切に教育し,当該国で起業させる。次にその外国企業を利用して輸出入する。将来的には資本参加するという構想で海外進出を進めている会社がある。
 
■ 製品の定義をしなおす(Product Redefinition)
  製品に対する定義,つまり製品に対する見方を変えることでグローバルに展開することが可能となる場合がある。外国,たとえば中国にない製品を自社が持っている場合,商品の定義をやりなおし,当該国で喜ばれる(acceptable)商品になっていく。たとえば,「ダットサン」。日産はダットサンを新興国向け低価格車として定義し直し,海外向けに展開する戦略をとっている。こうした発送は中小企業だって当然使える。
 
■ 狙うセグメントをはっきりさせる(Indenitification of Market Segments)
  国によって要求される内容は異なる。海外戦略を立てる上で海外での自社の顧客は誰であるかを明確にさせる必要があることは言うまでも無い。たとえば,中国ではホワイトカラー層が急激に伸びている。今後の消費の主力になることは間違いない。その中で,誰を顧客ととらえるか,中小企業の場合このピンポイントな明確さが求められる。
 
■ グローバル競争を狙う企業にとって必要なことは,まずどこか主要な市場に進出し,最低限必要な経済性を入手することである。