名古屋E&J法律事務所ブログ

2018.07.23 月曜日

大企業には法務部があります

 大企業には法務部がある。一流の上場企業ともなると弁護士資格も備えたスタッフを備え充実しているようだ。

 こうした法務部は中小企業ではあまり縁のないようではあるが,実際には社長や財務,総務などが法務部の仕事を肩代わりしていることが多い。

 私たちの独立した弁護士からみると企業の法務部と社外の弁護士とは役割が全く異なる。企業法務は企業内部の機関であるため,その企業の業務に関わる問題については専門家だ。ここの差はかなり大きい。

 たとえば,契約書の検討1つとっても違う。品質が要求されるレベルであるとか,どんな売方をするのかといった現場情報をもとにしたリスク管理が必要となるが,社内弁護士あるいは法務部の方がこうしたテーマを扱う点では優れている。

 しかし,一方で取り扱う案件の多様性に欠けたり,あるいは企業の命運をかけるような厳しい訴訟をそう多く扱うわけではない点で違うように思う。多様な事件を扱うことで,事案対応の柔軟性が生まれる。いわゆる落としどころについての見識も持つことができる。生きるか死ぬかというような深刻な事件を扱うことで弁護士の強い姿勢も生まれてくる。

 ところで,企業法務部はリスク管理など「守り」が重要な任務となる。しかし,法務部に言わせるとそれだけでは足りない。優れた法務部は「攻め」の業務というのを心がけている。

 社会情勢の変化や,企業の発展段階に応じて生じる新しい問題を察知し,法的対応を武器に企業利益の新しい方向を示す,という「攻め」の法務が必要らしい。法改正が業界のあり方を変えるような場合,逆にそれをチャンスにするために具体的な提案をしようというところか。

 また,契約書の検討する中で,そもそもスキーム自体によりよいものがあると問題提起をするということもある。つまり「経営判断に踏み込んだ法務」というところか。

 中小企業の顧問弁護士はある意味,法務部の外注化のようなところがある。守りについて検討することは当然行う。しかし,一流法務部のように「攻め」の企業顧問という姿勢も必要となる。