名古屋E&J法律事務所ブログ

2019.01.21 月曜日

自由主義をめざす中国

 だいぶん中国語が読めるようになってきた。最近、2015年国務院改革委員会関係の通達を読んだ。「経済体制改革を深化させるための重点作業意見にに関する通知」(深化经济体制改革重点工作意见的通知)と題する国務院通知は中国経済改革全般に対する指示が出されている。

 社会主義国中国はある意味わかりやすい国だ。中央政府の通知が各地で実行される。こんな通知があったんだと上海や北京で感じる経済動向の発信源を感じてしまう。日本だとそれなりに社会の自由があって、社会の変動を見つつ経済政策が実施されるが、中国では経済をはっきり誘導させようとする。こういうところは社会主義なんでしょうね。

 しかし、社会主義とは言え、経済改革に関するこの通知は自由主義的気概にあふれている。

「实现政府法无授权不可为、法定职责必须为,市场主体法无禁止即可为,从根本上转变政府职能,努力建设法治政府和服务型政府。」

 政府は法による授権がなければ行えないようにし、法が定めたことは必ず実行し、市場主体は法が禁じいないかぎり行うことができ、政府の機能を根本からかえなければならない。すなわち、法治政府とサービス型政府の建設に努力する。

「支持非公有制经济健康发展,全面落实促进民营经济发展的政策措施。鼓励非公有制企业参与国有企业改制,鼓励发展非公有资本控股的混合所有制企业。」

 非公有制経済を健全に発展させることを支持し、民営経済が発展を促進する政策措置を全面的かつ着実に実施する。非公有制企業が国有企業の改革に参与することを奨励し、非公有資本による投資による混合所有制企業の発展を奨励する。


 このほかにも金融を開放することや、市場金利の自由化など、市場からの資金調達の多様化など金融にかかわる改革も記載されている。農山村の都市化も進め、農村から都市への人口流入について戸籍などの制度を簡易化することをうたったりしている。内地や香港、マカオの自由貿易試験区などにも触れている。


 これを読むと今の中国がどんな社会を目指そうとしているかわかりやすい。
 おもしろいのはこんなことまで書いてある点だ。

 「全面实施中央和国家机关公务用车制度改革」

 つまり、「中央政府と国家機関の公用車制度の改革を全面的に実施する」とある。中国では公用車の私物化がかなり非難されているのかもしれないが、何も金融改革や市場改革などの大改革と並べなくてもよさそうだ。