名古屋E&J法律事務所ブログ

2019.02.25 月曜日

名義貸し融資は無効となります

 貸す側が知ってての名義貸し融資は無効となるというのが定着した判例だ(最判H7.7.7金法1436号31頁)。これは貸す側が銀行であろうと何であろうと関係はない。本当は個人に貸したいのだけれど、個人には貸せないからとりあえず会社名義で借りとくというような場合、名義貸しになる可能性がある。

 最近でも名義貸しが無効となった判決が出された(横浜地裁川崎支部H26.11.26判時2266号95頁)。
 貸主は金融業者のようだがはっきりしない。ともかく、真の借り主であるBは高齢者であるため、社内規定で借り入れができないため、変わってAが借主となって借りた。金利は10%というからけっこう高い。

 貸主担当者は「Aさんは、債務者になるけど、単なる名義貸しで、実際の借入者はBさんであり、担保提供はBさんがする。」などと言ったらしい。Bはファンドにお金をつぎ込んだりいろいろで借りた金を生活費や弟からの借金の返済にあててしまった。

 これは典型的な名義貸しで心裡留保といって、Aが本当の借主ではないことを知っている場合には「真意」がないということで無効になってしまう(民法93条類推適用)。

 ところで、本件は銀行事例ではないようだが、銀行でもときどき怪しげな融資をする場合がある。
 たとえば会社の債務が大きすぎるとか、明らかな帳簿操作があるとかいった事例だ。機械もないのにたくさんの帳簿上たくさんの機械があったり、在庫が異常に多かったりするような事例がある。また、事業規模からいって、高額な融資は到底必要ないような事例もある。

 こうしたことは現場を担当している銀行員なら当然気づくような偽装ばかりなのだが、なんで貸したかよくわからない。銀行員も知ってて融資したと疑われてしまう。場合によっては名義貸しを隠すため帳簿操作になったり、名義貸しであるため事業に見合わない高額な融資となるということがある。

 名義貸しの融資は、金融方面では迂回融資と呼んだりする。