名古屋E&J法律事務所ブログ

2019.03.04 月曜日

連帯保証人に対する説明責任

 私が所属する中小企業家同友会では金融機関に対する連帯保証債務が問題になっている。

 金融機関が必要以上に連帯保証人をとっているとの批判はかなり昔からあった。かつては、主債務者のほかに2人、連帯保証人を入れてくださいなどと言われていて、子供にまで連帯保証させる事例があった。私の経験した中にも、大学生だった娘にまで連帯保証させるという過酷な銀行があった。

 現在では財務局は監督指針などを出して、連帯保証を制限的にしたり、説明責任を求めたりしている。

 民法も徐々に厳しくなっていて、契約成立に書面を求めたり(民法446条)、根保証について極度額が必要とされたりするようになっている(465条の2以下)。最近の民法改正でも事業者保証について金融側の説明義務を課している(改正465条の10)。

 ともかく、連帯保証人はとかく情誼が先行してしまう。「絶対迷惑かけないから」、「はんこだけだから」、「前にはんこを押してあげたじゃないか。今度はおまえの番だ」などと情に働きかけて連帯保証人になってしまう例は少なくない。確かにはんことサインだけで成立する気楽さや、どこか自分に関係ない話だと思ってしまうところに問題がある。

 十分な説明と本当の納得というのは不可欠だ。
 つい最近出た裁判例でもこんな風に判示している(横浜地裁川崎支部H26.11.26,判時2266号95頁)。

「保証人や物上保証人に対して、その契約内容を正確に理解させ、また、冷静な考慮のもとで、保証引き受けの可否を決定できるようにさせ、契約内容に誤りがある場合には、是正する機会を与えるべき信義則上の義務がある」(保証人保護義務)

 この事例では保証契約のリスクや熟慮期間を与えなかった、契約書も交付しなかったという理由で、債権者の保証人保護義務違反を理由に保証契約の解除を認めている。