名古屋E&J法律事務所ブログ

2019.03.18 月曜日

競争は幸福をもたらすか?

「競争とは偶然の産物でもなければ不幸な出来事でもない」
 「1分間マイケル・ポーター」(Softbank creative社)の第2の言葉はこれだ。

  この本の解説によると、正確には「一つの業界における競争とは偶然の産物でもなければ不幸な出来事でもない」と書いてあるそうだ。「競争」と「戦略」とはマイケル・ポーターの核心的概念の一つだ。

 競争とは文字通り、同じような目標を持つ者同士が同じような目的をめざして、目的を得ようと活動することだ。それは時には他社と張り合い、時には他社と共同し合うことになるだろう。それは同じ目標、同じ業界にあって同じ層の顧客を得ようとすれば必然的に起こる。それにいいも悪いもない。

 競争を単純にとらえれば、相手を蹴落としてまでも自分の優位を作るということになる。しかし、ポーターはそんな単純なことを言っていない。ポーターが考えていることは「業界」の中でのポジションの獲得だ。

 自社の属する業界が魅力的であるか、自社が業界内で獲得しているポジションが適正であるか、ポーターはそれを考えている。「代替可能な商品を作っている会社の集団」と業界を定義した場合、会社はその業界の中で一定の地位、ニッチを獲得しなければ生きていけない。

 この時に業界内の競争要因を正確に分析し、持続的かつ発展的な事業経営を獲得していくプロセスを考案することが競争戦略の持つ意味ということになる。その戦略の中には、対決して相手を蹴落とすこともあるだろうし、協調して業界全体の質を向上させることもある。また、オリジナリティあふれるイノベーションを実現して別の展開をすることもある。

 つまり、「競争」はある意味いいも悪いも無く、必然的に生じることになるが、それは一つの世界(業界)の中で企業が多様に存在する過程でもある。ポーターは一つの企業が業界を独占することが適切だとは思っていない。むしろ競争があって、相互に助け合い、競い合って多様性が生じることこそが重要と考えている。

 だから、ポーターの戦略には、いかに「競争」(ぶつかり合い)を回避し、独自の地位を築いていくかという側面もかなり現れている。

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