名古屋E&J法律事務所ブログ

2019.04.15 月曜日

建築途中で止まってしまった事例

 我々が時々出くわす事件がこれだ。
住宅や、ビルが建設途中でトラブルが起き、建築工事が中断してしまうということがある。これは注文した側もされた側も途中でやめてしまうので本当に処理に困る。

 たとえば、ビル建設を依頼していて、注文主と現場監督、設計監理者との間で大げんかをしてしまった。注文者はもう残代金は支払わない。建築側もお金をもらえないならもうしないと言って機材を引き上げてしまうというトラブルはめずらしくない。

 この場合、施主さんは期待通りに工事をしてくれさえすれば、代金は払うつもりだったと言ってくるのが通常だ。しかも、建築中の建物を放置しておく訳にはいかないので、そもまま別の業者に工事をやらせてしまうこともある。

 施主としては、残工事を実施するよう催促し、それでも工事をやらんということであれば契約を解除してしまって、手付けとか、中間金とかを既払い金を返せと請求することになる。

 建築主としても途中まで工事をやったのだから、出来高分を支払えというのが言い分となる。

 法律の本来の原則からすれば、債務不履行があれば契約は全部解除されてしまい、建築業者は受け取ったお金を返さなければならない。しかし、この場合、出来高がある。その出来高をもとに、その後の工事が始められ完成したのだから、施主産としては出来高分の利益を得ていると言える。

 法律的には出来高までは区別できる、つまり過分であったとして契約は将来に向かってのみ解除されると考える(最高裁S56.2.17.)。

 この問題は私たちから見ると何となく大学や法科大学院の学生向けだ。法律の勉強を始めたばかりの学生にはうってつけの問題ということになる。

 しかし、ばかにしてはいけない。IT社会になって請負契約も複雑化している。たとえば、これがソフトウェア開発であれば数千万から時には億単位の契約となる。契約途中でどうも期待通り動いていないということになれば、この事業者はだめだということになったりする。

 こうした場合の契約関係はソフトウェアと高度に専門化された世界の問題なので難しくなる。どこまで期待通りだったか、どこまでやったと言えるのか、ソースコードなどの基本的なプログラムはどちらに属しているのかといった問題に直面する。 

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