名古屋E&J法律事務所ブログ

2019.05.27 月曜日

倒産企業の生き残り

最近、また倒産に関する相談が増え始めたような気がする。

 
 昨日は自動車部品メーカーの相談を受けた。前から相談を受けているのだが、リスケやセーフティネットなどの活用を勧めていた。リスケも使い、セーフティネットも使い、急場をしのいできた。しかし、業績は回復しない。不況前の3分の1の状態が続き、このままでは先が見えないという。
 
 社長は50歳近くになっており、転職はきかない。どうしたらいいのだろうか。昨日は社長、奥さん、私の3人で、この先どうするか話し合っていた。
 
 しかし、この会社は少なくなったと言っても3分の1の売上げはある。社長は顧客を引っ張ってこれるだけの力は持っているのだ。さらに、最近ではインターネットによる販売も伸びてきている。自動車部品の製造技術をつかって、市民の個別ニーズに応えるのだ。不況下、この売上げは魅力があるはずだ。
 
 いろいろ検討してみると、多額の借金さえなければ事業としては何とかなりそうだ。パートさんには気の毒だが辞めてもらう外はない。事業が小さくなって、広すぎになってしまった工場は返還する。保険が残っているのでこれを解約すれば、当面のやりくりはできる。
 
 借金は?  借金を見ると、市保証、県保証、政策金融公庫など公的融資がほとんどだ。保証人は兄がなっている。しかし、今の状態では倒産必至であるから、どのみち迷惑をかける。それよりも生き残って、将来の返済を展望した方が良い。兄にはきちっと状況を説明することが必要だ。
 
 そこで、社長と協議して事業を譲渡する方向で話を進めることにした。懇意にしている業者に事業を預かってもらい、社長は従業員となるのだ。譲り受け会社は社長という人材とそれなりの顧客、人的物的設備を獲得することができる。
 
  借金の問題は「破産」ということになるのが普通だが、破産するべき事例かどうかはよく考える必要がある。この場合、社長が将来再び事業を行うつもりがあるかどうか、いつ行うことになるのか、変な債権者はいるか、など諸事情を考慮することになる。