名古屋E&J法律事務所ブログ

2016.01.29 金曜日

法律顧問は必要?

 「法律顧問は必要ですか?」  という質問をよく受ける。先日も、豊橋市内のある企業家を話していてこんな質問を受けた。この企業は操業は60年近くになるが弁護士と相談したことはないという。

 
 不動産関係や貸金業関係などは業務上トラブルは避けられないため日常的に顧問契約を結んでおくことは有益なことが多い。スーパーマーケットなどクレーマーと対応しなければならない事業も顧問弁護士が必要だろう。電話やメールで対応してくれる弁護士を改め確保しておくことは必要なことだ。
 
 さらに、事業が何らかの危機的な状況に陥って、いつ何が起こるか分からない状況下でも弁護士を確保しておくことは必要だと思う。不良品を出してしまった、どのようなクレームがつくか分からないとか、資金ショートの危険があって綱渡りのような経営を続けなければならないとか、債務が払えないため当面する事業継続の手立てを打たなければならないとか、顧問契約は有効だと思う。
 
 私が話していた企業家はどうだろうか。戦後間もない頃から創業して、今日までの地位を築き上げてきてトラブルらしいトラブルはなかったというのだから必要ないかも知れない。
 
 しかし、どのような企業にもトラブルは起こる。その場合、ひとたび起こると企業の場合1000万円や2000万円の損失は普通に生じる。労災一つとっても深刻な事件であれば5000万円、1億円と損失が生じることもまれではない。時には企業の存亡に関わる事件だって起こりうる。
 そんな時に、急に弁護士は見つかるだろうか。
 
 弁護士の能力は実際にはかなりの差がある。法律知識だけではなく、事実を構成する力や、証人尋問など立証する力量の差は大きい。我々弁護士は法廷で対峙するため、相手の能力はよく分かる。
 
 また、事件が生じたときに、社長と共通した気持ちに同調できる力量も弁護士によってかなり差がある。トラブルが起こったときに社長が何をしたいのか、それを察知し、説明し、可能な選択肢を提供する能力はその人の知性や、感性、経験によって大きく左右される。
 
 さらに、いくら優秀な弁護士であっても信頼関係を作り上げるのに時間がかかる。そうした信頼関係を予め作っておくことは企業にとって必要なことだ。