名古屋E&J法律事務所ブログ

2016.02.10 水曜日

シアーズ・ローバック(Sears, Roebuck and Company )

1886年、リチャード・ウォーレン・シアーズが時計・宝石の販売事業を開始した。彼はやがて、時計商アルヴァ・C・ローバックといっしょになって、シアーズ・ローバック社を設立した。

 
 シアーズ・ローバック社はカタログ販売で名を馳せた。1896年、シアーズ・ローバック社は農村向けにカタログ販売を始めた。交通手段が十分発達していない時代にあって、都市と農村との距離は大きな壁となっていた。農村は都市文明の利益を教授したかったが、その恩恵をこうむることができなかったのである。
 
 シアーズはこの農村市場に着目した。「それぞれの農家は決して大きな購買力を持たなかったが、農村部全体としては凄まじい購買力があり、そのほとんどが手つかずのまま残されていた。」「シアーズを企業と成りたたせるためには、顧客と市場、とりわけ農家の人々が何に価値を見いだすか分析する必要があった。加えて、いくつものイノベーションも求められていた。」
 
 シアーズはカタログ販売によって都市の文明を農村に送り届けた。カタログ販売につきものの誇大広告の不信感をぬぐわなければならなかった。そのために、シアーズはカタログを定期販売し、「満足いただけない場合には代金をお返しします」という保証を行った。加えて、ローコストで商品を流通させるシステムを作り上げた。
 
 こうして、シアーズ・ローバック社は農家の欲求(ウォンツ)を的確に捉え、満たし、事業を一気に拡大していったのである。
 
 以上は1800年代後半の話である。1925年以降、シアーズ・ローバックは人口の都市への流入とモータリゼーションの到来を予見して、都市の郊外に広い駐車場を備えたデパートを開店させ、成功を収めている。