名古屋E&J法律事務所ブログ

2016.03.02 水曜日

会社分割の限界(商号続用の場合)

 いろいろ事情があって会社分割の限界について調べている。

 
 会社分割は1つの会社を2つにすることと説明される。分割会社(元の会社)と承継会社(新会社)とは別法人なので、特別な事情がないと、元の会社の債権者は新会社に対して責任追及できない。そのため、債務を整理する手段として会社分割はよく利用される。
 
 旧会社は倒産して、新会社が生き残るのであるから人情としては新会社に責任追及したいというのはよく分かる。しかし、旧会社の倒産は分割のせいではない。もともと、潰れるべくしてつぶれたのだ。新会社はあくまで別法人なのだから債権者は追及できない。
 
 しかし、会社法22条というのがあって、①事業譲渡の場合、②譲渡会社の商号を続用する場合に債務が重畳的に承継されるとしている。事業譲渡があっても商号が同じなら、外観からはわからない。こうした外観を作り出した者に一定の責任を認めようというのがこの制度である。もし、譲受会社が債務を免れようとするならば、登記をするか、債務を承継しないと債権者に連絡する必要がある(法22条2項)。
 
 会社分割は資本的行為と言われ、事業譲渡といった契約行為とは区別される。そのため、会社法22条の適用があるかどうか問題ではあるが、最高裁判所は類推適用を認める(最3H.20.6.10、判時2014号150頁)。
 
 これは会社分割とは言っても、実態は事業を譲渡するのと変わりないという考えからだ。会社分割と会社法22条との関係では最近新しい判決が出ている。これは、レストランを会社分割によって切り離したのであるが、店舗は従来と同じ名称を利用していた事例だ。事業譲渡でない点、商号の続用ではなく、店舗の名称の続用であった点特殊であるが、会社法22条の類推適用を認めた。