名古屋E&J法律事務所ブログ

2016.03.17 木曜日

「冷凍庫」、固定資産税の誤り  特に不動産を事業のネタにしているみなさまへ。

 固定資産税、都市計画税はいずれも土地、建物の不動産を課税客体とする地方税である。不動産取引の時によく出てくる。都市計画税は都市計画事業に充てるために徴収する目的税だ。これらの税金は不動産取引ではしょっちゅう出てくる。また、倉庫業、賃貸業など不動産が重要な資本となっている会社にとっては、その対策は重要だ。

 固定資産税は固定資産評価額によって決められる。その評価額は固定資産評価基準に基づいて決せされるのであるが(地方税法403条1項)、評価基準にまでさかのぼって自社の不動産評価額を検討した会社は少ないだろう。都市計画税も固定資産税の例によって判断される(同法702条の8、第1項)。

 ところが、多くの自治体で、「冷凍庫」基準で減額するべきところ、単なる「一般用」の倉庫で評価していたのだ。名古屋市の場合、平成18年に一斉調査を行い、修正し、5年にさかのぼって過徴収金を返還した。5年としたのは、税額を減少させる決定は法定納期限から起算して5年経過するまでにできるとされているからだ(地方税17条の5、第2項)。また、自治体に対する金銭請求は5年による消滅時効にかかるとされている(地方自治法236条、尚、国に対する請求も同様である。)。

 しかし、5年というのはひどい。中には26年間も余分に税金が取られている事業者のあった。その金額は1000万円を超える。そのため、差額の支払いを求めて各地で訴訟が進められている。

 この件のミソは固定資産税などが賦課課税方式となっている点だ。普通税金は申告によって課税される(申告納税方式)。しかし、固定資産税などは行政が一方的に決定して課税する。自分で申告しておいて間違えていたのならまた我慢できるが、課税する側が一方的に間違えておきながら知らぬ顔では通用しないだろう。

 神戸市の冷凍庫業者の集団訴訟では5億円の賠償命令が出ているという。