名古屋E&J法律事務所ブログ

2016.03.28 月曜日

中国法体系

中国はイデオロギーが違う。中国は社会主義国だ。  法律もそれを支える司法制度も違う。これはどっちが進んでいるかという問題ではなく、世の中には違う考え方もあるのだという割り切りの問題だろうと思う。

 
 社会主義国中国の特徴をはっきり示すのは生産手段の帰属や所有権の考え方だ。  中国では「生産手段の社会主義的公有制」を採用している(憲法6条1項)。土地は国家の所有または集団的所有に属するとされている(憲法10条1項、2項)。
 
 北京のような自由経済が発達した大都会であっても不動産所有は認められていない。所有権がないめ、不動産の利用は基本的には全て利用、使用の「許可」という形式になっている。日本のように事由に売買できる、賃貸借も設定できる、担保にも入れられるという仕組みにはなっていない。
 
 日本では憲法→法律→条例の序列がはっきりしている。法律のもとに行政庁の規則や命令が存在する。条例は地方自治の本旨に基づいて制定されるため、法律とは独立の法源とされるため、法律が無くとも独自に制定できる。
 
 中国の場合には憲法→法律→行政法規→地方性法規→地方性不規則の序列が決められている。これはとは別に例えば国務院とか銀行といった部門ごとの部門規則が存在する。中国の場合は自治体政府は国に権限が与えられている関係にあるため、日本に比べて序列ははっきりしている。
 
 しかし、現実の運用は簡単ではない。中国の法治主義はまだまだ不徹底だ。沿岸部の都市では法はかなり機能しているが、内陸部では機能しない場面も多いという。
 
 中国の弁護士と話していても地域、時期、地方行政委員会や地方の共産党の力関係で法規の適用関係が決まるとも言われている。法律を満たしていても行政のいやがらせのようなものもある。中国弁護士の力量も法の適用+行政とのパイプだということだ。