名古屋E&J法律事務所ブログ

2016.03.28 月曜日

解雇を口にする資格

世知辛い世の中になっている。  どの企業も一生懸命なのだが、外部環境にはかなわない。何とか事業の種を残すためにあらゆる努力を行っていることだろう。私の顧問先も最近何人か解雇せざる得なかった。社長の悩みはよく分かる。

 
 雇用契約については労働者契約法などの労働者保護法があって単にいやだからという理由で解雇できない。労働者は物とは異なり生活がある。雇用は人の生活がかかっているから解雇するにしても何らかの正当事由が必要である。
 
 整理解雇を行う場合にはいわゆる4要件があって、かなり難しい作業になる。実際の整理解雇の現場では解雇を行うことは必ずしもない。
  4要件はこちら→ http://blogs.yahoo.co.jp/lawyerkago/24659937.html 
 
 むしろ、実際の解雇の過程は、時間をかけた説得から始まる。まず、会社が解雇回避に向けたあらゆる努力を行う。それで成功すればもちろんよい。しかし、実際の解雇の場面となると、それでもうまくいかなかった場合となるが、解雇まで決意するような状況は余程悪いと考えなければならない。そんな場合は会社がまじめに対応していれば、社員にはすぐに分かる。
 
 しかし、だからといってすぐに私が会社のために辞めますということはない。誰だって会社は辞めたくない。当然、会社の実態を明らかにし、退職者に対しては特別な条件を付けるなどの募集をかけつつ、説得活動を進めていくことになる。
 
 解雇はきわめてデリケートな問題だ。生活がかかっている。ひとたび手順を間違えれば社員の怒りは爆発するだろう。それは後戻りのない怒りであり、職場の状況を悪化させ、時には訴訟となって現れる。理屈で、解雇だと言っている社長に解雇する資格はない。社員をコストとしかとらえない社長はまず自分が退任すべきだ。社員の痛みが分かり、会社として懸命に努力した社長のみ解雇を口にすることができる。