名古屋E&J法律事務所ブログ

2016.04.08 金曜日

労働組合のシュプレキコール

最近ではめっきり少なくなったが、労働組合が会社でシュプレキコールをあげて宣伝活動を行うことがある。こうした活動は正当な組合活動として許されるだろうか。

 
 中小企業では労働組合にこんなことをされたら経営者はすっかりまいってしまう。組合は何も企業別だけではない。企業を横断的に結成される組合もある。ちょっと前の話だが、私の顧問先が外国人労働者を解雇したところ、労働組合が団体交渉(団交)を申し入れてきた。
 
 何もそこまでしなくてもいいと思うのだが、赤旗をひるがえして、ゼッケンをつけた人たちが、会社事務所に押し寄せてきた。街宣車は出るわ、近所にビラはまかれるわで大変だった。社長は絶対に負けんぞという気持ちになり、事態は混乱を極めた。社長は気丈だからいいかもしれないが、取締役だった娘夫婦や、監査役だった奥さんは全くまいってしまった。    労働組合の情報宣伝活動は団結権の強化や、労働者の地位向上のために使用者の不当性を明らかにする目的など一般市民の理解を得るための活動として許容されている。世の中にはひどい会社もあるからこうした活動は時には必要だろう。悪いやつを市民に広く明らかにして会社を追いつめていくことも必要な場合があると思う。
 
 しかし、中小企業では本当に困る。特に小さな企業であることが分かっていながら激しい宣伝活動を行う様子は私の目から見ると恐喝ではないかと思われることがある。顧問先の例は、余りにもひどいので徹底的に戦うことにした。一切妥協せず、あらゆる法的手段を講じた。
 企業には「平穏に営業活動を営む権利」がある。取締役には平穏な生活を営む権利が人格権として保障されている。法的に戦う場合にはこれらの権利を利用して差し止めなどを行うことになる。さらにひどい場合には刑事告訴も行う。
 
※ 東京地裁決定 H.21.9.10   大学生協労働組合が、大学のオープンキャンパスあわせて街宣しようとしたところ、大学が営業権を理由に街宣などの行為を差し止めた事例だ(判時2056号99頁)。