名古屋E&J法律事務所ブログ

2016.04.20 水曜日

オープンイノベーションと新時代

任天堂はメガネなしで立体画像を実現する技術を売り出したのであるが、日経新聞によるとそれを利用するソフトは任天堂以外のゲームソフト開発企業との連携を強化するという。これは自社の強みを残して、技術をオープンにして他社利用を図っていく戦略で、典型的なオープンイノベーションということになる。時代はオープンイノベーションに入っていると思う。

 
 ここからは私の荒唐無稽な推測だ。
 
 私は不況下世界の経済構造が変わりつつあると思っている。アジア市場の融合化はその象徴的な姿だ。アジア市場は急速に発展して、消費地としても価値を生み出しつつある。世界の工場だった中国は世界の市場にもなりつつある。大企業の海外戦略も中国で売るために中国で作るという考えが基本となっている。
 
 かつてのグローバリゼーションの進展は「作る場所」と「売る場所」との区別が合ったように思う。メキシコで作った製品は北米市場で売られていく。中国、タイ、フィリピン、韓国の各地作られた部品はどこかの国で組み立てられていたが、欧米や北米、日本市場で売られていたように思う。中国は世界の工場であった。
 
 しかし、今日では「作る場所」と「売る場所」との区別がなくなりつつあり、単一市場に向けて音を立てて動いているように思う。今回の不況はその速度をいよいよ加速させ、目に見える形ではっきり顕れてきているように思う。
 
 ところで、こうした融合化されつつある市場のもう一つの特徴は「オープンイノベーション」ではないかと思うのである。中国は他国の技術をどん欲に取り入れ経済発展を遂げている。日本を始めとした欧米企業も自社の技術を確保しつつ、中国企業に提供することによって利益を上げている。あるいは、日欧米の企業は企業提携することによって新たな技術や市場マネジメントのあり方を創造していると言える。
 
 こうした、市場をマネジメントする考えそのものが時代の変化を示している。日本のメーカー、日本の中小企業は海外進出を果たしている例は少なくないが、市場の融合化、企業間のオープンイノベーションによる融合化の流れをとらえ、自社の強みを世界に生かせている企業が成功していると思う。
 
 付言するなら、こうした市場の融合化、オープンイノベーションの傾向は不況前から顕著にあった。チェスブロウ著書「OPEN INNVATION」は2003年の著作だ。グローバリゼーションはWTO以来様々な形で問題提起がされている。不況は世界のこの経済構造の変化を著しく加速させていると思う