名古屋E&J法律事務所ブログ

2016.05.12 木曜日

高齢者雇用

 定年制については、「高齢者等の雇用の安定等に関する法律」という法律が定めている。日本の法律は法律の題名から内容ができるだけ推測できるようにしているため、長い名前であることが多い。こうした問題もきちんと整備しておかないと後でひどい目にあうことがある。信頼できる社労士さんによく相談しておく必要がある。
 
 高齢者雇用安定法は定年制について、原則として65才とした。65才未満を定年とした場合には次の措置をとらなければならない(9条1項)。
 ① 当該定年制の引き上げ
 ② 継続雇用制度の導入
 ③ 定年制の廃止
 
 継続雇用制度については、雇用主が労働者との間で継続雇用協定を締結した場合には導入したとみなされる(9条2項)。労使協定は労働者グループと雇用主が締結する契約だ。労働者グループは次の2つだ。
 ① 職場の過半数を組織する労働組合
 ② 労働者の過半数を代表する者
 
 契約である以上、本来、非組合員や協定に参加しなかった者に効力が及ばない。しかし、法律は労使協定には職場全体に効力が及ぶ場合がある。法律の分野ではこれを「強行的補充効果」と呼んでいる。労使協定で継続雇用協定を締結すれば、制度として導入したことと同じだから、高齢者雇用安定法上の措置をとらなくても罰則を受けることはない(「免罰的効果」)。
 
 高齢者雇用安定法はかなり浸透しているから最近は65才定年が一般的だろう。賃金体系も一定年齢を超えると押さえるということをしていると思う。
 
 なお、最近は従業員が企業横断的な労働組合に加入して団交が申し入れられることが多い。企業横断的な組合は、その職場の過半数はないことが多い。その場合、継続雇用協定を締結しても効力はないが、継続雇用協定をテーマにした団交を拒絶することはできない。組合はおよそ労働条件にかかるテーマを議論できるのだから、継続雇用協定も例外ではない(東京地裁H22.2.10、判タ1324号153頁)。