名古屋E&J法律事務所ブログ

2019.05.04 土曜日

交通事故で損保に同意書を出さなければならないのでしょうか?

交通事故で損保に同意書を出さなければならないのでしょうか?

 
 交通事故後,損害保険担当者は被害者より必ず同意書を取り付けます。これは任意保険から治療費を支払う際に医療機関に調査するために利用されます。医療機関としては患者の同意無くして患者の情報を開示する訳にはいきませんから同意書を求めるのです。

 もし,同意しないとなると損保側は治療費を支払わないと言ってきます。この場合は治療費が出ないということではありません。とりあえず労災や健康保険を利用して治療を行います。そして治療にかかった分は賠償金として後ほど請求することになります。

 この同意書を出した方がよいでしょうかという質問をよく受けます。
 るが、私の場合、普通は別に構わないと答えています。治療費など賠償に伴う手続きはめんどうなことが多いので,保険会社に任せた方が便利でよい場合があるからです。

 しかし,後で裁判する戦略であれば特に同意書を出す必要はありません。同意書を出すことで,損保側に必要な情報を提供してしまいます。

 また,損保は治療費を代わりに支払うということになりますが,必要以上に治療に干渉してくることがあります。例えば,もう症状固定ではないかとか,まだ治療費が必要なら必要とする根拠を教えて欲しいとか,病院に対していろいろ干渉してくるのです。

 さらに,過失相殺が問題になるような事例では同意書を出さず,健康保険や労災を利用することを強くお勧めします。過失相殺が大きく問題なる事例では裁判になる可能性が高い外,治療費そのものも過失割合に応じて負担することになります。100万円の治療費うち,20%の過失分だけ負担する結果になります。この場合は任意保険を当面利用しない方が利益になります。

 ともかく,同意書をめぐっては意外にややこしい問題があります。弁護士と相談されてよく方針を決めることをお勧めします。