名古屋E&J法律事務所ブログ

2019.05.21 火曜日

交通事故 ある外国人の事件

 加害者が外国人で,事故後すぐにブラジルに帰ってしまったという事件を担当したことがあります。この事件は幸いにも雇い入れた会社が加害者に保険に入れさせていたために任意保険が機能しました。なんでも,雇用に際して任意保険に入っていることを条件付けたのだそうです。

 もし,任意保険に入っていなければ被害者は泣き寝入りになっていたかもしれません。
 つまり,この場合,会社の保険ではないことや,プライベートな事故だったために会社に対して責任追及もできません。あくまで,外国人個人に対して請求することになるじけんとなります。

 本件の場合,肝心の本人がブラジルに帰ってしまい,特に生死が不明になったわけではないので任意保険を利用するにしても面倒なことになります。任意保険の本来の考えからすれば本人に支払い義務が認められて初めて支払われるということになります。
 
 つまり,本人にまず訴訟を起こすということが原則となります。しかし,海外の住所も分からないし,仮に分かったとしても外国居住者を被告にするのは本当に大変です。外国人の場合,訴状は地方裁判所から最高裁判所にまわり,さらに大使館にまわされた上に送達手続とられるます。とどくのに1年以上かかることもあります。

 本件は任意保険が機能したので,この場合は任意保険会社が被告となりました。但し,いつでも直接請求できるわけではなく,限定的です。この場合は加害者が生死不明であるという理由で約款に従い請求することになりました。