名古屋E&J法律事務所ブログ

2019.06.05 水曜日

交通事故 労働能力喪失

 後遺症をもたらした場合、逸失利益というの計算します。後遺症の分だけ障害があり、働けない状態になります。将来にわたる働けないという被害を賠償しろ言うのが逸失利益の意味です。

 この「働けない」という意味ですが、実際に働けなくなる必要があるかどうか学説上争いがあります。つまり、実際に働けない状態ができないとだめだ、実際に事故前後に所得の差額が必要だという説があります。私たちはこれを差額説と呼んでいます。損保などは差額説に立って、事故後の所得証明を出せとか、確定申告書を出せと言ってきます。

 一方で、障害があれば当然労働能力の喪失があるとするのが労働能力喪失説と呼んでいるものです。私の立場は当然この立場です。

 判例は差額説であるような口ぶりですが、本当のところは分かりません。本人の努力があったり、周りの人の援助によって労働を維持しているような場合には、所得が落ちていなくても労働能力の喪失を認めています。

 また、将来の差額など分かりようもないのですから、ある程度落ちるはずだ、本来ならばもっと出世できるはずだというようなことで労働能力の喪失を認めます。

 このような具合ですから,折衷的だというのが判例の一般的な評価です。