名古屋E&J法律事務所ブログ

2019.07.01 月曜日

加害者が未成年者の場合、責任追及は誰に?

たとえば、横断歩道を青信号で通行中に、オートバイにはねられて怪我をしたとします。

ところがオートバイではねた加害者は高校生。 しかも、保険にも入っていませんでした。
加害者である高校生に治療費などの損害賠償を請求しても支払ってもらえる目処はありません。
 
あなたなら、どうします?
 
交通事故が起こった場合、被害者に直接に責任を負うのは、まずは加害者本人です。 上記設定でも、加害者である高校生が責任を負うので、はねられた被害者は治療費などの損害賠償を高校生に対して請求することになります。
 
しかし、高校生に時には何百万、何千万にもなる損害賠償を請求しても支払えるはずがありません。
 
そこで、その高校生の親(親権者)に支払ってもらえないかが問題となります。
 
加害者が未成年者で、しかも小学校高学年以下程度(11~12歳)であれば、事理弁識能力がない者(責任無能力者)として、監督義務者である親の責任が生じます(民714)。
 
しかし、一般的に高校生には通常は事理弁識能力があるとされるので、原則として親に責任を問うことはできません。
 
ただ、親には未成年者を監督する監督義務者の責任、一般的義務はあります。 そこで、この義務違反を理由として損害賠償請求をすることはできます(民709)(最高裁S49・3・22判決)。
 
さらに、上記監督義務者の責任がないとしても、運行供用者責任(自賠法3条)が認められる可能性があります。 つまり、親が車両購入代やガソリン代、保険料など維持費を負担しているような事情があれば、運行供用者として責任を認める判例が多数あります。
また、そうでなくとも、親権者として加害車両の運行に対し支配を及ぼすことができる立場にあり、かつ加害車両を支配管理すべき責任が認められる場合には、親の責任が認められる場合があります。
 
もっとも、未成年者が経済的に独立し、親の援助を全く受けていないような場合には、運行供用者責任を認めることは難しいようです。
 
上記ケースの場合、高校生であれば、通常は親からの扶養を受け、経済的独立を果たしているとは言えないと思われますので、親に対して責任を追及できる場合であろうと思われます。