名古屋E&J法律事務所ブログ

2019.07.10 水曜日

高齢者の逸失利益

 逸失利益とは,ホームページ(http://nagoya-jiko.net/symptom/calculation.html)でも記載している通り,交通事故によって「将来にわたって」収入が得られなくなったり,収入が減少したりする場合の,その得られなくなった分の金額です。損害賠償請求をするときに,金額的にも大きい部分を占めるので,この計算は重要です。
後遺障害がある場合,後遺障害の重さに応じて,逸失利益の金額は算定されることになります。
ただ,ここでいう「将来にわたって」というのは,一体いつまでのことをいうのでしょうか?

 
 この点について,比較的軽度な神経障害の場合だと,5年~10年程度になることもありますが,重い後遺障害であれば,就労可能な年数までを基準として計算されます。そして,現状では,この「就労可能年数」は67歳までとされています。ですので,通常は症状固定の年から67歳までの期間を基準にして,逸失利益が計算されることになります。
ただ,そうなると,67歳を超えている高齢者の方が事故に遭われた場合,どうやって計算するのでしょうか?
 
 この場合は,簡易生命表の余命年数の2分の1が一つの基準とされています。元気であれば,67歳を超えていてもさらに稼働することは十分可能と考えられますので,少なくとも平均余命の半分くらいは働けるだろうと推定して,計算されることになるわけです。
 
 また,67歳以下の方でも,「症状固定から67歳までの年数<平均余命の2分の1の年数」となる場合は,原則として平均余命の2分の1が基準となります。67歳以下の年齢の人が,67歳を超える人より不利にならないように配慮されているわけです。