名古屋E&J法律事務所ブログ

2019.08.20 火曜日

遷延性意識障害(植物状態)の法的問題点

遷延性意識障害(植物状態)の被害は誰が見てもつらい。  私の依頼者は事故で娘が遷延性意識障害となった。20代のこれからという時に事故にあった。チューブによって生きながらえるのであるが、日に日に体が変化していく。

 
 お父さんは私に娘さんの写真を見せてくれた。感情の起伏のない表情、意志を感じないうつろな目。床ずれの写真も見せてくれた。「娘が一番なりたくないと思っていた状態になった。」と私に話してくれた。
 
 遷延性意識障害というのはいわゆる植物状態で、自発呼吸などあるなど生命維持に必要な脳幹部の機能は維持している状態を言う。日本脳神経学会は①自力移動の不可、②自力摂食不可、③屎尿失禁状態、④意味ある発語ができない、⑤簡単な命令にはかろうじて応じる程度である、⑥眼球はかろうじて物を追っても認識はできないなどの6項目をあげている。実務的には遷延性意識障害状態であることが争われることは少ない。むしろ、遷延性意識障害の損害額が大きな問題になることが多い。
 
 遷延性意識障害の賠償項目は次の通りとなる。以下のように遷延性意識障害の損害では全ての項目で将来の損害の算定が問題となる。ここが主な問題だ。例えば、遷延性意識障害患者の生存可能性をどのように評価するかなど厳しい論点となる。
 
①治療費、将来の治療費
②入院付添費、将来の入院付添費 ③入院雑費など、将来の入院雑費など ④家屋改造、自動車改造などの費用、将来の家屋改造、自動車改造などの費用 ⑤休業損害、後遺障害の逸失利益 ⑥入通院慰謝料 ⑥後遺障害慰謝料