名古屋E&J法律事務所ブログ

2019.09.02 月曜日

交通事故 症状固定前の相談

交通事故の全損害は症状固定によって確定するというのがたてまえです。

 症状固定というのは医学的な判断をもとにしていますが、純粋に医学的なものではありません。ここまできたら事件としては終わりにしても良いかなという割り切りがあります。この割り切りは法律的な判断と言えます。
 
 ともかく、私たちとしても症状固定がないと全損害額が不明なのでなかなか交渉や裁判に入れません。では、症状固定前に弁護士に相談することはないかと言えばそうでもありません。症状固定前にはどんなことを相談したらいいのでしょうか。
 
 この場合、事故初期段階の相談が多いようです。被害者としてはその事件が今後いったいどのように処理されていくのかある程度展望を理解しておく必要があるでしょう。事件のどこに問題があるのか、どのように対応したらよいのかは症状固定前でもある程度察しがつきます。
 
 私たちが、症状固定前に相談を受けた時は次ぎようなことをお話ししていきます。
 
1. 事故のどこに問題があって、将来的にどのように問題になっていくか。
  例えば、過失相殺が問題になりそうだとか、頚椎捻挫で症状固定時期や後遺症が問題になりそうだとか、おおよそ見当が付きます。
 
2. 労災の有無
  通勤途上災害など労災が問題にならないか検討します。労災がある場合には原則労災扱いをお勧めしています。
 
3. 過失相殺の有無
  過失相殺があれば、原則社会保険の利用ををお勧めしています。被害者側の過失が例えば2割だとすると最終的には2割の治療を被害者が負担することになります。そこで、国保などよって治療費を少しでも抑えておくことが必要とります。
 
4. 休業損害、通院交通費などの考え方
  休業損害や通院交通費、付添看護費用など保険会社は支払ってきます。金額についてあまり問題はないように思いますが、いつまで払うかについては深刻な問題が起こります。
 
5. 初期段階での治療
  むち打ちの場合、検討されるべき病態はそんなに多くありません。
  頚椎のヘルニア、ずれ、脊柱管の圧迫、神経根の損傷、頸髄損傷など。MRIなどの所見が必要になったりします。
  胸郭出口部症候群やRSD、脊髄液減少症、高次脳機能障害など難しい疾患がある場合もあり、必要な検査を受けてもらうこともあります。
 
5. 症状固定の時期など
  むち打ちで特に画像所見がないような事例では半年もすると損保が症状固定するように伝えてきます。中には治療費を打ち切りますというようなことを言う損保担当者もいます。医師に働きかけを行う損保もあります。こうしたことについてどう対応したらいいか弁護士と相談することもあります。