名古屋E&J法律事務所ブログ

2019.10.11 金曜日

【人身傷害保険のすすめ】

人身傷害補償保険とは、自動車の運行に起因する事故により、被保険者が身体に傷害を負ったとき、すなわち人身傷害事故のとき、被保険者等が被る損害に対して保険金が支払われるというものです。 この保険金は、被保険者に当該事故に関する過失がある場合であっても、故意または極めて重大な過失がない限り、被保険者の過失の有無またはその割合に関係なく、支払われるものです。

  この人身傷害保険の内容(約款)によっては、裁判で過失相殺として減額された分が人身傷害保険で補填される可能性があります。 すなわち、会社によっては異なるようですが、人身傷害保険の約款に、「判決又は和解で認定された損害額(過失相殺前)×被保険者(被害者)の過失割合」は補填するという内容のものが多くなってきています。
  この内容の人身傷害保険に入っていれば、裁判で過失相殺前の損害額が1000万円、被害者の過失割合が10%と認定され、判決又は和解などで900万円支払われるということになった場合、過失相殺された分100万円は人身傷害保険によって補填されます。
  ちょっと保険に詳しい方なら、「その100万円分は人身傷害保険会社から加害者へ求償されるから、そんな風に裁判と人身傷害保険の併用はできないのでは?」という疑問をもたれるかもしれません。 (このような疑問を持った裁判官もいます)
しかし、そのような求償はできません。 このことについては最高裁平成24年2月20日判決が参考になりますが、説明が非常に長くなってしまうのでこれは割愛いたします。
  結局言いたいことは、過失相殺が問題となる事案では、人身傷害保険が非常に有用だということです。
過失相殺が問題となったら、人身傷害保険の有無・内容を確認しましょう!