名古屋E&J法律事務所ブログ

2019.10.21 月曜日

代車料(代車使用料)

突然交通事故に遭うと、車を修理する必要が生じ、あるいは全損になって車を買い替えなくてはいけなくなることは、往々にしてあります。

 こんな時、日常生活上車が必要な人は、当然、代車を借りることになります。  では、代車料は、加害者(やその任意保険会社)から支払われるのでしょうか。
 「交通事故損害額算定基準ー実務運用と解説ー(2012年度版)223頁」によると、代車料は、「事故により車両の修理あるいは買替えが必要となり、それにより車両が使用不能の期間に、代車車両を使用する必要があり、且つ現実に使用したときは、その使用料が相当性の範囲内で認められる」とされています。
 裁判例では具体的には、以下のようになっています。
 まず、①代車の必要性です。  通勤に使っていたり日常生活上必要な場合であれば、代車料は支払われます。ただし、公共交通機関利用で格別の不具合が生じない場合には、公共交通機関の利用限度とされる場合があります(東京地裁判決平成13年8月30日判決など)。
 次に、②高級外車の場合は注意が必要です。高級外車等を借り金額が制限された裁判例(東京地裁判決平成15年5月9日など)があります。よほどの事情がない限り、高級外車の代車の場合、国産高級車の代車料の限度で留まることが多いようです。
 一番問題となるのは、③代車料が認められる期間です。  修理の場合は、1週間から2週間が通例とされるようですが、部品の調達や営業車登録等の必要があるときは、長期間認められる場合もあるようです。  買い替えに要する相当期間としては、原則として、1ヵ月程度とした裁判例が多いようです(大阪地裁平成13年6月8日判決交民集34巻3号738頁、東京地裁平成19年11月29日判決など)。ただ、修理が可能かそれとも経済的全損として買替えが必要か等について検討し、交渉するための期間は相当期間に含まれる、として、3ヵ月を認めた裁判例(東京地裁平成13年5月29日判決)等、事情によってはそれより長期の期間を認めたものもあります。  ただ、これはいずれも裁判になった場合であって、保険会社との交渉の段階では、もっと短い期間分しか出せない等と言われる可能性もあります。その時は、現に代車を使う必要性があること、上記のような裁判例があることを伝えて交渉していくべきです。