名古屋E&J法律事務所ブログ

2019.10.24 木曜日

労働能力喪失期間について

 交通事故によって後遺障害を負ってしまったとき、その後遺障害の影響により労働能力が喪失されたとして、事故がなかったら稼げた分(これを逸失利益といいます。)を請求することができます。

 
 たとえば、事故によって寝たきりの状態となり、全く働くことができなくなったということになれば、能動能力喪失率は100%であり、就労可能な終期とされる67歳までの間に稼げたであろう利益を逸失利益として請求することができます(実際の損害計算では、ライプニッツ係数といった数値を用いますが、その計算式の説明は割愛いたします。)。
 
 裁判では、労働能力喪失期間がよく問題になります。  
 一般的に、後遺障害は就労可能期間中に改善されないものと考えられ、原則として、症状固定時から就労可能な終期とされる67歳までが労働能力喪失期間となります。
 ただし、例外として、むち打ち症の場合は、症状が改善される可能性や被害者の慣れなどを考慮して、その労働能力喪失期間は短めに考えられています。14級9号の場合は、大体3~5年、12級13号の場合は7~10年とされることが多いようです。
 
 むちうち症以外の後遺障害においても、加害者側が症状が改善される可能性を主張立証し、労働能力喪失期間が限定されることがあります。  すなわち、むちうち症以外の後遺障害であっても、必ず症状固定時から67歳までが労働能力喪失期間とされるというわけではありません。
 
 保険会社は、被害者の無知に乗じて、極めて短い労働能力喪失期間を主張してきます。それでは、損害賠償額が不当に低くされてしまいます。  事故によって後遺障害を負ってしまった方は、ご自身の判断で保険会社からの示談に応じず、是非弁護士にお気軽にご相談ください。