名古屋E&J法律事務所ブログ

2019.11.08 金曜日

自賠責における過失相殺

自賠責とは、自動車損害賠償責任保険のことです。自動車は、自賠責保険又は自動車損害賠償責任共済の契約が締結されているものでなければ、運行の用に供してはならないとされています。   ですので、簡単に言えば、交通事故の被害者は、加害者が任意保険に入ってなくても、自賠責には入っているので、自賠責制度を利用して、保険金を請求することができます(これを「被害者請求」といいます。)。

 
  被害者請求は、裁判で損害賠償請求するのと違い、損害全額について賠償されるというものではありませんが、訴訟で請求するよりも良い点があります。   その最たるものが、過失割合の取扱いです。
 
  訴訟では、過失割合を厳密に認定して、その過失割合にしたがって減額されます。   被害者側に4割の過失が認められれば、損害賠償請求額も4割減額されます。
 
  これに対し、被害者請求では、被害者に重大な過失がある場合(7割以上の過失がある場合)に限り減額されます。   また、その減額割合も以下のとおり被害者に有利となっています。   傷害の場合は、被害者の過失割合が7割以上10割未満のとき、2割減額。   後遺障害または死亡の場合は、被害者の過失割合が7割以上8割未満のときは2割減額、8割以上9割未満のときは3割減額、9割以上10割未満のときは5割減額。
 
  このように、自賠責制度を利用すれば、被害者側にかなりの過失がある場合であっても一定の保険金を受け取ることができます。