名古屋E&J法律事務所ブログ

2019.11.20 水曜日

交通事故の紛争解決の手段

交通事故の紛争解決の手段はいくつもありますが、目的に応じて使い分ける必要があります。以下、各手段について私が経験上感じていることをまとめます。

 
1 示談交渉
事故態様や後遺障害の程度等について争いがほとんどない事案であり、早期解決の必要性がある場合は有効な手段。ただし、保険会社は保険会社基準(裁判基準より低額)で対応してくる可能性が高い。
弁護士に依頼しているか依頼していないかで、提示してくる金額が異なることもある。また、裁判基準での支払いに応じるか否かは保険会社・担当者次第。
遅延損害金や弁護士費用については認めない傾向にあるため、金額にこだわる場合はお勧めできない。
2 民事調停
  裁判基準になる。
  申立人に訴訟では認められにくい損害がある場合等に、納得の手段として利用することが考えられる。時効中断効もあるので、損害が確定していない際に念のため行うことも。
 3 交通事故紛争処理センター
裁判基準となる。人身の場合申立から第1回期日までの待ち日数が17日であり、2回目以降は通常3~4週間に1度の割合。管轄なし。第1回期日は申立人側のみ。第2回は原則として保険会社側のみ。第3回から双方出席。あっせん案でまとまらない場合は、審査手続きを経て裁定が下される。保険会社は裁定に拘束される。
厳格な証拠調べ手続きがないため、事実に大きな争いがある場合には解決困難。医学上の問題が大きな比重を占める場合も判断が困難(ただし、日赤と連携しているため簡単な意見書は手に入る)。また、後遺障害等級認定は自賠責保険による認定を前提とするため争えない。
弁護士費用、遅延損害金は認められない。
4 訴訟
双方の言い分に極端な違いがあり、当初から話合いが難しい場合や、示談交渉、調停等によって話合いを試みたが損害額について折り合えないような場合に選択することになる。
ただ、過失相殺に問題がある場合、損害の積み上げ額と保険会社の提示額との差が小さい場合については、自賠責保険会社に被害者請求(示談)をした方が額が大きい場合もあり、慎重に判断すべき。
 
以上です。
あくまで雑感ですので、実際の運用と異なる点もあるとは思いますが、参考になれば幸いです。