名古屋E&J法律事務所ブログ

2017.09.11 月曜日

死亡事故で当初保険会社提示額の2.5倍以上の成果が得られた事例

 子(当時18歳)が友人の自動車に同乗中、当該友人が無茶な運転をしたため他の車両等と衝突し、結果当該子が車外に放出され死亡したという交通事故があり、当該子のご両親からご依頼をいただきました。

当初保険会社は賠償額(既払金を除く)として1700万円程度を提示していました。
  と ころが、裁判等を経て、結果的に4450万円程度の成果を得ることができました。この成果は弁護士費用を差し引いた上での金額です。
  まず、裁判をする場合、その法的な根拠は、ご両親が当該子の損害賠償請求権を相続したという構成になるのですが、本件は家族関係に少々複雑な点があり、訴訟提起の前提として、ご両親が当該損害賠償請求権すべてを相続する内容の遺産分割協議をまとめる必要がありました(しかも、時効の問題もあったので、迅速にまとめる必要がありました。)。
  次に裁判ですが、当該案件の主な問題点として、以下のものがありました。
  ① 逸失利益の算定根拠となる基礎収入を18歳平均賃金とするか男性全年齢平均賃金とするか
   (後者の方が高い)
 ② 好意同乗による過失相殺が認められるか
 ③ 当該子はシートベルトを着用していたか(していないとなると過失相殺となる)
   判決は、①の点は男性全年齢平均賃金を採用し、これにより逸失利益だけで3500万円程度になりました。
 ②の点についても好意同乗による過失相殺を認めませんでした。
 ただし、③の点については、運転者であった友人はシートベルトをしていて車外放出されなかったのに対し当該子は車外放出されている事実を重視し、当該子はシートベルトを着用していなかったと認定されてしまいました。これにより10%の過失相殺が認められてしまいました。
 この他にも、尋問や写真・手紙などの証拠によりご両親の精神的苦痛を訴え、判決では基準より高い慰謝料が認定されました。
 このように、判決は、損害額自体は高いものとなったのですが、10%過失相殺されてしまった点だけが残念なところでした。
 ただし、ご両親を含め、当該子のご家族の保険内容を精査したところ、当該子のご兄弟が加入されていた自動車保険の人身傷害保険が、同居中の家族が交通事故に遭った場合にも適用されることが判明し、結果的に過失相殺分も当該保険により補填されました。
 結果的に、本件では、当初保険会社は賠償額(既払金を除く)として1700万円程度を提示していたのに対し、上述の裁判等を経て、結果的に4450万円程度の成果(弁護士費用を差し引いた上での金額)を得ることができました。
 裁判はもちろんのこと、訴訟提起前の遺産分割協議の交渉や人身傷害保険の調査(当然、保険会社は、こちらから積極的に問い合わせないかぎり、被害者の兄弟の人身傷害保険が利用できることなど親切に教えてはくれません)など、弁護士としての総合的な解決能力が活かすことができた事例だと思います。